
ポルトガルのマラゼスで生まれたルイ・パトリシオは、9歳の頃にサッカーを始める。当時はストライカーとしてプレーしていたらしい。
中学年代に入るタイミングでスポルティングのユースチームに入団したパトリシオは、そのまま18歳の時にトップチームデビュー。以後12シーズンにわたってスポルティングのゴールマウスを守り続け、プリメイラリーガ年間最優秀GK賞を2度受賞するなどリーグを代表するGKとしての地位を確かなものとした。
2016年にはEURO優勝に正守護神として貢献し、大会最優秀選手にも選出されている。
30歳になってウォルバーハンプトンに移籍し国外挑戦に踏み出したパトリシオは、3シーズンイングランドで活躍したあと2021年にローマに加入している。
ルイ・パトリシオのプレースタイルをひとことで表すと、「堅実なGK」ということになるのだろう。
データを見てみると、守備アクションのゴールからの平均距離はリーグでも最も短い部類に入る。つまり、基本的にはゴールから離れた位置でのアクションは行っていないということだ。
ここら辺のデータはクラブのスタイルに左右される部分も大きい。しかし、実際のパトリシオのプレーを見てみても、クロスボールに対して出ていかずにゴールラインで待ち構える場面が多い。アグレッシブネスよりも堅実さが際立つGKだという印象が強い。
そんな彼の武器は、ポジショニングと反射神経だ。
36歳になった百戦錬磨のルイ・パトリシオは、正しいポジションを常に取り続ける。ここらへんは経験値と堅実さがよく表れている。
そして、年齢を重ねたものの反射神経の鋭さはまだ鈍っていない。特に至近距離から放たれたシュートであっても、手足を伸ばして届く範囲であれば確実にセーブしてくれるという安心感がある。
↓ クロスボールが上がってきた場面で、正しいポジションを取り直し、至近距離からのシュートを防いだ場面。パトリシオの良さが見えた。
一方で、遠距離からのシュートに対する処理には疑問符が付くと言わざるを得ない。ミドルシュートをはじけずに失点してしまう場面が散見されるのだ。数シーズン前であれば止められていたのでは…と思うこともしばしばだ。
簡単にセーブできそうなシュートに関してもファンブルすることが多いというのも悪印象。何でもない場面でバタバタしてしまう要因となってしまっている。
また、ビルドアップへの貢献が見込めないのもマイナスポイント。特にプレス耐性の低さは顕著で、相手アタッカーが圧力をかけに来たら長いボールで逃げる場面がほとんどだ。
ミドルフィードの精度は悪くないだけに、もう少し落ち着いて状況判断ができればまた違った評価になりそうなものだが…。
(今季は特に)攻守両面で物足りなさが残るルイ・パトリシオ。ここ数試合ではスヴィラルに定位置を奪取された印象で、シーズン終了後の退団が噂されている。
もう一花咲かせられるか。名手の意地に期待したい。