【ザ・いぶし銀】ブライアン・クリスタンテのプレースタイル分析

地元のアマチュアクラブ、リヴェンティーナ・ゴルゲンセを経てミランの下部組織に入団したクリスタンテは、当時から将来を嘱望されていた。プロデビューはUEFAチャンピオンズリーグで、16歳278日でのチャンピオンズリーグ出場はクラブ最年少記録であった。

神童として期待されたクリスタンテだったがなかなか出番に恵まれず、2014年に移籍したベンフィカでも状況は変わらず。パレルモ、ペスカーラへのレンタルによる武者修行を繰り返した。

17-18シーズン、ガスペリーニ監督のアタランタでようやくブレイク。36試合で9ゴール2アシストという数字を残し、2018年にローマに加入する。以降6シーズンローマ一筋でプレーするクリスタンテはチーム最古参のひとりであり、第3キャプテンに就任するなどいまやローマの中心人物のひとりだ。

ちなみに、父親がカナダ系イタリア人で、クリスタンテ自身もカナダ国籍を保持している。

 

守備的MFが主戦場のクリスタンテだが、インサイドハーフやセンターバックにも対応可能。フォーメーション上だけでなく、プレーにおいても非常に万能性が高い

アンカーとして起用されれば、ボール保持時にはレジスタとして機能する。最終ラインに吸収されたり、その手前にとどまったりしながらボールを受けると、積極的な縦パスで攻撃を加速する。この縦への志向性がクリスタンテの大きな特徴で、ファイナルサードへ届けたパス数はここまでセリエA3位だ。

アタッカーの足元へのくさびはもちろん、サイドの選手への対角線のロングパスも用いて攻撃をデザインしていく。レジスタとしての能力は高い。

 

↓ アシスト未遂

 

インサイドハーフで起用されれば、適切なポジショニングが光る。味方の立ち位置を見ながら常に空いたポジションに陣取り、チーム全体としてのバランスを整える。地味だが、非常に効果的なプレーだ。

サイドバックの位置に斜めに下りてボールを引き出した場面。
パレデスが空けたレジスタの位置に降りてきてGKからのパスを引き出した場面。
ウイングが空けたサイド高い位置に飛び出した場面。

このようにチームのバランスを整えつつ、オフ・ザ・ボールのランニングで前線に飛び出すプレーも見せる。アタランタ時代には点が取れるMFとしてブレイクした通り、インサイドハーフでの起用が続けば得点能力も発揮するはずだ。長身なクリスタンテはゴール前でターゲットになることもでき、オフ・ザ・ボールでいろいろなことができる選手だ。

 

↓ クロスボールに合わせて得点した場面

 

また、攻撃の最終局面ではミドルシュートも装備。ここ数年は毎シーズン素晴らしいミドルシュートを決めている。

 

非保持時の貢献度ももちろん高い。

運動量豊富でカバー範囲が広いクリスタンテは、最終ライン前を幅広く動いてはタックルを仕掛けてボールを刈り取る。ここまでファウル数がセリエAトップとなっているが、これも彼のカバー範囲の広さ、ボールへのチャレンジの多さをよく表しているのではないだろうか。

フィジカル能力に優れたクリスタンテは、当たり負けする場面が皆無。体を当てて相手のバランスを崩し、そのすきに体を入れて着実にマイボールにする。防波堤としての能力は非常に高い

また、長身ゆえに空中戦も悪くないのもGOOD。3バックのCBとしても機能できるほどの総合的な守備性能を誇っている。

さらに、負傷離脱が非常に少ないこともクリスタンテの魅力のひとつだ。イエローカードの累積を除くと、欠場する試合はほとんどないのだ。

 

穴らしい穴がないクリスタンテ。強いて欠点を上げるなら狭い局面を打開するほどのアジリティやクイックネスに欠けることくらいだろうか。

総合的に見て、攻守両面で非常にハイレベルな完成されたMFだ。派手なプレーこそ少ないものの、地味な仕事を100点満点で遂行し続ける仕事人である。マスターMFに分類するにふさわしいだろう。今後もローマの要としてプレーし続けるのではないだろうか。

 

コメントを残す