【マエストロCB】ディエゴ・ジョレンテのプレースタイル分析

8歳のころからレアル・マドリードの下部組織一筋でプレーしてきたディエゴ・ジョレンテ。Bチームやレンタル先のラージョ・バジェカーノ、マラガで研鑽を積んだ後、2017年にレアル・ソシエダに移籍する。

ソシエダで3シーズン、プレミアのリーズで1シーズン半プレーした後、2022年1月にローマにレンタルで加入。今シーズンもレンタルを継続しローマでプレーしている。

 

彼の最大の魅力は、ハイレベルなビルドアップだ。

長短にパス技術が高く、かつ試合を組み立てる戦術眼を備えているジョレンテは、非常に高性能なレジスタCBだ。今季ここまでのパス成功率は91.4%でセリエA8位という高数値だが、決して安全なパスをつなぎ続けているわけではない。むしろ、積極的なくさびで攻撃を前進させながらのこの数値は高く評価していいだろう。

ボールを持った状態で周囲の状況を認知するジョレンテ。
体をひねりながらサイドバックの足元にくさびをつけた。

上記のシーンにジョレンテのよさが詰まっている。

ひとつはパスコースを見出す視野の広さ。通常の選手であれば引っ掛かると考えるコースでも、ジョレンテはパスコースとして認識できる。相手からプレッシャーを受けながらでもその認知能力が変わらないことも高評価だ。

そして、その細いコースを通すためにボールの置き所や体の向きで相手をだますスキルを持っている。上の場面でも、右足でボールを持って右に展開すると見せかけたところから体をひねってパスを通している。

それも、ただ通すだけでなくグラウンダーでパスを通しているのがポイント。普通の選手なら、幅をとっている選手に対してフワッとしたロブパスで相手の頭の上を通すだろう。だが、ジョレンテは置き所や体の向きなどを駆使してグラウンダーでパスを通す。くさびでもしかりだ。

ボールの受け手からしたら、浮き球のボールよりもグラウンダーのボールの方が処理しやすいは当然のこと。ジョレンテのパスは通りやすいだけでなく、受け手の次のプレーがスムーズになりやすいという点で他の選手とは一線を画しているのだ。

 

このように非常に高いビルドアップ能力を発揮するジョレンテだが、非保持時の貢献度も高い。モウリーニョ政権時には3バックの中央を任されていた通り、迎撃性能は低くない。線が細くスプリント能力も特段高くないが、タイミングを見計らってボールをつつく能力は高い。

また、しっかりとコースに入ってブロックする技術も高い。シュートブロック数はここまでリーグトップテンに入っている。

全体的にフィジカル能力は高くなく、スプリント勝負や空中戦は不安要素となる。だが、それを持ち前のクレバーさで埋めてプレーする、賢いCBだ。

 

今季ここまでの活躍はキャリア最高の出来と言ってよく、パリ・サンジェルマンからの関心がさかんに報道されるなど今季のローマの注目選手となっているジョレンテ。

出場試合数に関する条項を達成したことで、来夏500万€でリーズから完全移籍で獲得することが可能だ。苦しい財政事情のローマだが、この金額であれば確実にジョレンテを手に入れるはず。そこから転売して大きな利益を得ることも可能だろう。

リーグ全体で見ても屈指のレジスタCBであるジョレンテ。今季の活躍とともに、来夏の動向にも注目だ。

 

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