王子様のようなルックスに、「ファンタジスタ」という言葉が似合う創造性あふれるプレー。現代では少なくなった華があるアタッカー、それがパウロ・ディバラである。
キック、ドリブル、ボールタッチ、そのいずれもハイクオリティな黄金の左足。そして広い視野と優れたプレービジョンから生み出されるクリエイティビティ。
これらを武器に攻撃を指揮する司令塔というのがディバラのプレースタイルを端的にまとめたフレーズになるだろうか。
ディバラには明確に得意なプレーエリアがある。それが右ハーフスペースのライン間。そこへカットインしていくために、さかんにアウトサイドへ流れる。
右サイドからカットインしつつ、斜め45度からラストパスやフィニッシュ、連係プレーを繰り出していく。ペナ角のあたりでディバラが前を向けば、なんだってできるのだ。

ディバラはゴール、アシストともにシーズン通してかなりの数字を稼ぐプレーヤーだ。
今季はチームの不調、その後のラニエリによる非保持を重んじるスタイルの採用によって数字が伸びていないが、毎シーズン15~20G/Aを記録するビッグタレントだ。
その中でも内訳を見ていくと、セリエAにやってきてから毎シーズンゴール数がアシスト数を上回っている。これは、彼の得点パターンの豊富さが要因だろう。
右サイドからカットインしそのままフィニッシュに持ち込むプレーだけでなく、ワンツーなどの連係プレーで裏のスペースをアタックするプレーもできるし、ファーサイドで合わせるボレーシュート、さらにはPKや直接フリーキックと言ったプレースキックまで、得点パターンは実に豊富である。
↓ ユベントス時代の全ゴール集
とまあいろいろと書いてみたけれど、こういう選手のプレーは「百聞は一見に如かず」。見て感じろ、と言いたい。きっとワクワクさせてくれるから。
彼は華麗なだけでなく熱さも持っている。「ディバラは守備意識が低い」という言論をたまに見るけれど、彼のプレーを見たことがないのだろう。昔のファンタジスタのイメージだけで語っているのだ。
プレッシングに対して献身的だし、球際で戦える。ローマというクラブにすぐさまなじめたのは、こうした熱さがあってのことだ。
“I rejected Saudi because I still have more to give in Europe” – Dybala
— Italian Football TV (@IFTVofficial) March 8, 2025
惜しむらくは何年も前からケガが多いこと。今季もシーズン途中でハムストリングスを負傷し、シーズン終了となっている。
継続してプレーし続けられていれば、世界的な名声を手にしていたかもしれない。そう思わせられるくらい、彼は魅力的で、人々を惹きつけるものがある。
来シーズン、ディバラの元気な姿を見るのが楽しみだ。