
ヴィアレッジョ・カルチョでサッカーを始めたファッツィーニは、カペッツァーノを経て2017年にエンポリの下部組織に入団した。
彼の家族はスポーツ一家で、祖父は元テニス選手。兄のトンマーゾ・ファッツィーニはビーチサッカーのイタリア代表である。
20-21にカンピオナート・プリマヴェーラを制したエンポリの優勝メンバーとなったファッツィーニは、翌21-22にプロデビュー。
22-23にプロ契約を果たすと、パオロ・ザネッティによって継続的に起用され、19歳にしてセリエA21試合に出場。オフシーズンにはラツィオやユーベからの関心が囁かれるなど、一気に注目の若手イタリア人MFとなった。
ファッツィーニはテクニックに優れたMFだ。そのクオリティを崩しの局面に用いることで活躍している。 ファッツィーニの最大の魅力が、相手を剥がすドリブルだ。長い距離を持ち上がるわけではないが、寄せてくる相手をかわす持ち出しは特筆ものだ。


上の場面のように、重心移動によって相手をだましてのターンがファッツィーニの得意技。相手が足を出してくれば、とっさの持ち出しでかわす。右足だけでなく左足でも同様にしてテクニックを発揮できるのも高評価だ。
こうして相手をかわした後のパスセンスも持ち合わせている。積極的にラストパスを狙っていくのがファッツィーニの特長で、ゆえにパス成功率は低いがキーパスも多くなっている。 1枚剥がして運び、ラストパスを供給するというのがファッツィーニが得意とする一連のプレーの流れだ。
ここにミドルシュートという選択肢が加わってくれば、さらに驚異的な選手になれそうだ。
ボール保持時には華麗にプレーするファッツィーニだが、非保持時には泥臭い一面を見せる。 ファッツィーニは積極果敢にボールホルダーに襲い掛かってはタックルを仕掛け、ボールを奪おうとする。タックルに関するスタッツはチーム内で見てもトップクラスの数字だ。
ただし、まだそこに技術が伴っていない。チャレンジがファウルで完結してしまうこともまだまだ多く、出場時間に対してイエローカード5枚は多い。 確実にボールを奪う技術が伴ってくれば、また一段と評価を上げそうだ。
得意なプレーエリアの高さから「アシストマン」に分類したが、資質的にはマスターMFに非常に近い。また、起用法によってはアンカーとして大成できる可能性も感じさせる。今後どんな監督と出会うかでキャリアの方向性が決まっていきそうだ。
まだ20歳のファッツィーニは、遅かれ早かれステップアップのタイミングがやってくるだろう。どのクラブを選択するのか注目したい。