【アンドレアッツォーリの秘蔵っ子】シモン・ジュルコフスキのプレースタイル分析

ポーランド人のジュルコフスキは母国のグールニク・ザブジェというクラブでデビューする。

このグールニク・ザブジェは1960~80年代に14回ポーランドリーグを制覇した古豪で、黄金期にはUEFAカップウィナーズカップで準優勝を果たすなど欧州レベルでも好成績を残した。現在では元ドイツ代表のルーカス・ポドルスキが所属している。

ポーランドで頭角を表したジュルコフスキはフィオレンティーナに保有権を買い取られる。そして、レンタル先のエンポリで21-22に6ゴール2アシストを記録してブレイクを果たした。

その後フィオレンティーナ、スペツィアで不遇の時を過ごしたものの、今冬に再びエンポリに加入すると2試合で4ゴールを記録しチーム内得点王に浮上するなど水を得た魚のように躍動している。

ちなみに、モンツァ戦で3ゴールを決めたジュルコフスキは、セリエAで初めてハットトリックを記録したポーランド人となった。

 

21-22にも6ゴールを記録したように、ジュルコフスキは得点が取れるMFである。彼のゴールはどのような形で生まれるのか。

understat.comより、ジュルコフスキのゴールに関してシュートを打った位置をピッチ上にプロットし、期待値の大きさを円の大きさで表現したもの。

上の図を見ると、ジュルコフスキのゴールは主に2つのエリアから生まれていることがわかる。

ひとつがペナルティエリア内。ダイナミズムに優れるジュルコフスキはさかんにゴール前に飛び込むことができ、味方が供給するクロスボールに合わせたり、こぼれ球を詰めたりして得点することができる。第2のストライカーとして機能できる資質を持っているのだ。

もうひとつがペナルティエリア外。ジュルコフスキはミドルシュートも得意としており、エリア外からでも前を向けば積極的に狙っていく。 利き足とは逆の左足でも精度が高いフィニッシュが可能なのもGOODだ。

 

ジュルコフスキはフィジカル的に優れた資質を持っており、これを駆使して得点以外でもチームに大きな貢献を果たす。

185cm・77kgと大柄なジュルコフスキは、高い位置でポストプレーをこなすこともできる。チームにとって第2の起点として機能するのだ。

 

また、持久力に優れるジュルコフスキはプレーエリアが広い。これを活かして、ピッチを所狭しと動いてはボールホルダーに対して積極的にタックルを仕掛ける。より低い位置でプレーしていた21-22には、タックル、ブロック、インターセプトすべてのスタッツでチームのトップ2に入る数値を記録した。

さらに、ボールを奪ってからの持ち上がりもジュルコフスキの魅力だ。持ち前のダイナミズムを活かして一気に敵陣まで持ち上がる。

 

このように、ストロングポイントが数多いジュルコフスキだが、フィオレンティーナやエンポリでは活躍できずに苦しんだ。一体なぜなのか。

ダイナミックなプレーが身上なジュルコフスキだが、一方でポゼッションスタイルとの相性がいいとは言えない。狭い局面でプレーするためにはアジリティやタッチの繊細さに欠け、また細かいポジショニングの修正、味方との連携などにも課題を残しているのだ。

 

ダイナミックなスタイルでは輝く一方で、ゆったりとした展開では持ち味を発揮できない傾向にあるジュルコフスキ。戦術との相性がキャリアのカギを握っているといえる。

まだ26歳とここから脂がのってくる年齢のジュルコフスキ。うまく戦術的な相性がいいビッグクラブで活躍できれば、大きな名声を手にしてもおかしくないだけの資質を備えている。 まずは、現在レンタルで加入しているエンポリでのプレーを継続するのか、それとも他クラブに移籍するのか注目したい。

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