
モンツァ出身のカンビアーギは、メッシに憧れてサッカーを始めた。家の近くにサッカーコートがなかったので、テニスコートでドリブルの技を磨いたという。
やがてアタランタの下部組織に加入し、18-19、19-20とカンピオナート・プリマヴェーラを連覇。期待の若手として名を挙げた。
プロデビューはレンタル先のセリエBレッジャーナだった。翌年には同じくBのポルデノーネに貸し出されて7ゴール2アシストを記録。翌22-23にはセリエAのエンポリにレンタルされて6ゴールを上げてチーム得点王になるなど順調にキャリアを積み上げている。今季もエンポリでプレーを継続中だ。
アタランタのトップチームのトレーニングに参加してからパプ・ゴメスにアドバイスを受け(レンタル先でも時おりInstagramでアドバイスを受け続けているようだ)、キエーザとインシーニェにインスピレーションを受けていると語るカンビアーギ。その言葉通り、彼の最大の武器はドリブルだ。
水準以上のスピードも備えているカンビアーギだが、それ以上に彼の武器はクイックネスだ。何度も切り返し、方向を転換しながら仕掛けていく。
直線的なドリブルと切り返しを多用するそのスタイルは、キエーザに近いものを感じさせる。
長い距離を運ぶドリブルと、突破を仕掛けるドリブルの両方を用いることができるカンビアーギ。苦しい場面で局面を打開してくれる面では頼れる存在だ。
また、オフ・ザ・ボールに関しても優れたものを持っている。特にレイオフの受け手としてサポートに入るタイミングと角度が絶妙。外から内へと入ってくるため相手としてもマークにつきずらく、FWからの落としを受けてそのままの勢いで仕掛けていく形はひとつのパターンとして確立されている。


21-22にポルデノーネで7ゴール、22-23にエンポリで6ゴールを決めているカンビアーギは得点力も備えている。特に、利き足の右足だけでなく左足でのフィニッシュでも精度があまり落ちないのはGOODだ。
しかしながら、今季はここまでノーゴールを苦しんでいるカンビアーギ。シュート数自体はセリエAトップ10に入っているにもかかわらず、だ。ここにきて、フィニッシュが課題となっている。

上の図のうち、実際に得点につながったものは緑色の円である。
これを見ると、すべてゴールにつながったものはペナルティエリア内から打ったものであり、しかも期待値が大きいものであることが読み取れる。
つまり、カンビアーギのゴールはほとんどがエリア内に侵入し、フリーとなって決めたものであるのだ。
対して、ゴール以外のシュートに関しては期待値が小さいものになっていることがわかる。エリア外からの物はもちろん、エリア内からのシュートに関しても同様だ。
つまり、カンビアーギの得点が少ないのは、期待値上妥当である、ということになる。問題は期待値が小さい状態でシュートを打ちすぎていることにあるのだ。
シュートの多さは、彼の強引さの表れであるともとれる。
今後得点数を伸ばしていくには、期待値が大きい状態を作る、期待値が小さいシュートも決める技術を伸ばしていくことも大切だが、それ以上に、期待値が小さい状態でフィニッシュ以外の選択肢を持つことがカギとなりそうだ。
これはドリブルに関しても同様で、味方を使ったほうがいい場面でも強引な仕掛けでチャンスをつぶしてしまう場面が散見される。
より味方を使うことを覚えれば、プレーの幅も広がり相手からすればさらに対応困難な選手になるに違いない。
個人的にはネクスト・キエーザになれるポテンシャルの持ち主だと考えている。 強引にこじ開けるプレーは彼の魅力であるものの、そこにロジカルな要素が入ってくれば、さらに一皮むけられるのではないだろうか。