【笑顔のジョーカー】ルイス・ムリエルのプレースタイル分析

ルイス・ムリエル

コロンビア出身のムリエルは、国内屈指の強豪デポルティボ・カリでプロデビュー。

デビュー2シーズン目となった2010年シーズン前半には10試合9ゴールを挙げて大活躍した。

ストライカーながらドリブルを武器とするそのプレースタイルから「フェノーメノ」ロナウドと比較され、「コロンビアのロナウド」の異名をとった。

彼を欧州に連れてきたのはウディネーゼだった。グラナダ、レッチェへのレンタルを経てウディネーゼでプレーしたムリエルは2012年にセリエA最優秀若手選手に選出された。

その後加入したサンプドリアでも活躍したムリエルは、2017年夏にセビージャへ移籍する。当時のクラブ史上最高額となる2000万ユーロでの移籍だった。しかしながら、2シーズンで9ゴールと期待を裏切り、イタリアに出戻ることに。

フィオレンティーナを経てアタランタに加入したムリエルは、ここでキャリア最高の時を過ごすことになる。

19-20シーズンには、先発わずか10試合にして18ゴールを挙げてゴールランキング3位に入る快挙を成し遂げたのだ。このシーズン、途中出場から11ゴールを挙げたムリエルは、セリエAにおける1シーズンで挙げた途中出場からのゴール記録を更新し、2000年以降ではパコ・アルカセルに次ぐ数字となった。

 

スーパーサブとして活躍したムリエル。彼の最大の武器はドリブルである。

フェイクを多用するためにそんな印象はないかもしれないが、彼のドリブルは縦志向が非常に強い。ボディフェイク、キックフェイントなどを駆使しながらも、1回の切り返しで勝負を決めてシンプルに縦へ縦へと進んでいくのだ。

 

基本ポジションのセンターフォワードの位置からサイドに流れ、足元にボールを引き出してから仕掛けていくのがムリエルの最も得意な形。ピッチ中央で相手を抑え込みながら時間を作るようなプレーは得意としていない。ポストプレータイプとしては「ワイドポスト」といえる。

22-23のムリエルのヒートマップ。左サイドにマップが偏っていることがわかる。右利きのムリエルは、左サイドに流れてカットインしながら仕掛ける形を得意としており、これを実現するためにさかんにサイドに流れていくのだ。

 

ドリブルで仕掛けながら最終的にはフィニッシュを目指していくムリエル。彼のゴールの多くは、仕掛けのドリブルからつながる形で生まれている。

understatより、ムリエルのゴールに関してシュートを打った位置をピッチ上にプロットし、期待値の大きさを円の大きさで表現したもの。

上の図を見ると、ムリエルのゴールは期待値が小さい傾向にあるのが特徴的だ。

これも、彼のゴールがドリブルからつながっていることと関係している。目の前に相手DFがいる状態から、仕掛けてかわす、もしくは抜ききらずともシュートコースを作り出して正確に射抜くのがムリエルの得意な形。

コースを狙ったコントロールショットも強烈なパワーショットもともに精度が高い。

 

ドリブラーは得てして足元にボールを引き出そうとしがちだ。ムリエルも同じで、基本的にはワイドに開いて相手の守備ブロックの外に逃げ、フリーでボールを持ちたがる。

一方で、ブロックの中にとどまって、瞬間的にできたスモールスペースに動き出してボールを引き出すプレーにも優れている。

ロングスプリントは特別優れているわけではないムリエルだが、タイミングで相手を出し抜き味方のラストパスを引き出すのに優れているのだ。

 

さらに、キック精度に優れるムリエルは優秀なプレースキッカーでもある。

PKに関してはキャリア通算15本蹴ってすべて成功。直接フリーキックからは通算5ゴールを決めており、実に多彩なフィニッシュワークを持つプレーヤーだといえる。

 

多くの武器を持つムリエル。チームに変化を加えられるコマであることは間違いなく、今冬の退団はアタランタにとってマイナス要素だろう。

キャリア晩年に向けてアメリカへ旅立ったムリエル。最終的には母国コロンビアに戻るのだろうか。今後のキャリアにも注目してみたいところだ。

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