アメリカ史上最高のタレントとして期待を受けてきたクリスティアン・プリシッチ。その才能は、イタリアで全面開花を迎えている。
彼は2列目ならどこでもこなせる。両利きであることもその要因のひとつなのだけれど、彼のプレースタイルそのものも要因になっている。
プリシッチはベースポジションから柔軟に移動してプレーする、機動性の高いプレースタイルを持っている。ウイングがスタートでも盛んにハーフスペースやセンターレーンに移動するし、逆にトップ下起用されてもサイドに流れてくる。時には中盤に降りてゲームメイクにもかかわる。
広範囲に動きながらビルドアップの出口となり、そこからボールを散らしたり場合によっては自ら運んで崩しの局面へ移行する。ビルドアップ隊と前線隊、局面と局面をつなぐリンクマンとしての戦術的な価値の高さは、フォンセカ政権移行後さらに強調されている印象だ。

もちろん、アタッカーとしての性能も抜群に高い。
テクニック(両利きでどちらの足でも自在にボールを操る)とフィジカル(スプリントとアジリティ)が高次元に融合した高速ドリブルは特に強力で、密集地帯もやすやすとくぐり抜けていく。
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— Lega Serie A (@SerieA) September 23, 2024
シュート技術も高く、両足から正確かつ強烈なフィニッシュを繰り出せる。
少しゴールから離れた位置からは正確なパスでアシストを狙う。視野が広く、自らフィニッシュするかラストパスを味方に供給するか、どちらを選択すべきかの判断が的確だから、ゴールとアシストの両方のバランスが取れている。29節終了時点でセリエA9ゴール6アシストだ。
これだけオン・ザ・ボールのクオリティが高いにもかかわらず、足元にパスを引き出すこと一辺倒にならないのがプリシッチの一番すごいところかもしれない。
裏のスペースを突くランニングで味方のスルーパスを引き出すこともあるし、クロスに合わせての得点も多い。
自ら打開してのフィニッシュと、味方に活かされる形でのフィニッシュ。多彩な得点パターンを持っているからこそ、得点量産につながっているのだ。
このように、どの要素をとってもバランスの取れた最強万能アタッカー、というのがプリシッチをまとめたフレーズになるだろうか。WG分類マトリックス上の「マスターWG」にふさわしいプレーヤーだ。
いまやセリエA最強のタレントのひとりとなったプリシッチ。ドルトムントで台頭してきたのが速かったのでそんなイメージはないけど、まだ26歳とこれから全盛期を迎える年齢だ。
今後もミランとアメリカの顔として引っ張っていくプレーヤーになりそうだ。