アルゼンチン代表FWニコラス・ゴンサレス。2021夏にフィオレンティーナのクラブ史上最高額である2450万€の移籍金でイタリアにやってきた。そして今夏、ユベントスに活躍の場を移している。
今でこそウインガーの印象が強いニコだが、アルヘンティノスやシュツットガルト時代には1トップを務めることが多かった。
↓ ブンデス時代のゴール集。5分の3が頭でのゴール、1つが裏抜け。何だか岡崎慎司のようだ。
他にもトップ下や左ウイングでも起用されており、前線ならどこでもやれる。さらに、シュツットガルトとアルゼンチン代表では右ウイングバックで起用された試合があり、3バックのワイドにも対応可能なマルチだ。
多くのポジションで起用される選手に共通するのは、スタートポジションから離れ、かなり自由に動き回るということ。ゴンサレスもこの例にもれず、広く動き回ってボールに絡むタイプの機動性が高いプレーヤーだ。

そうして縦パスを引き出してから運ぶ、散らす、さらに最終的には自分がゴールが取れるエリアに入っていく、という一連の流れがイタリアに来てから確立された感がある。リンクマン兼フィニッシャーだ。
ゴンサレスが得点力に優れたウインガーであることはフィオレンティーナ時代に証明した通り。22-23は公式戦通算13ゴール、23-24は同14ゴールだ。
それでは、彼が得意とするフィニッシュパターンはどのようなものなのか。
ニコはヘディングにめっぽう強い。強いというか、バカクソうまい。特別長身でないにもかかわらず、空中で静止するかのような滞空時間の長いジャンプで落下地点を制圧し、その上で確実にコースに流し込むのだ。
これがフィニッシュに活かされる。相手DFの死角となる大外から入り込み、頭で叩き込むプレーは彼が最も得意とする形。ウインガーでありながらリーグ屈指のヘッダーである。
El nuevo 🔟 de la @acffiorentina: Nico González 🇦🇷🔝#GenoaFiorentina pic.twitter.com/G52eCWOkqa
— Lega Serie A (@SerieA_ES) August 21, 2023


というわけで、ゴンサレスはウインガーであるにもかかわらずクロスターゲットとして機能し、ゴール前でのデュエルを制して得点する形が多い。
しかし一方で、今季のユベントスはクロスを上げないチームである。
クロス総数は13位とボトムハーフ。平均ボール支配率がリーグ2位と攻撃機会は屈指の多さであることを考えると、余計にその少なさは際立つ。
ゴンサレスが得意な形が訪れない。単純だけど、得点数減少の最大の要因だ。
ただ、ゴンサレスの持ち味は得点力だけではない。
彼は運ぶドリブルに長けている。クイックネス、スピード、パワーのいずれにも飛び抜けていないにもかかわらず、相手のタイミングを外す戦術眼でシンプルに相手を抜き去る。そして何よりも、積極的に仕掛けていくハートの強さが際立つ。
守備に対する積極的な姿勢も魅力だ。攻守両面で闘争心をプレーで表現できる選手だ。
こうした側面はいかにもユベントスらしい選手なのだが、活躍しきれていない現状は歯がゆいところだ。
WG分類マトリックス上の「ターゲットWG」としてはセリエAの第一人者たるタレントだけに、監督交代を機に状況が明転することを祈りたい。