エリア・カプリーレとは何者か
来歴
- 地元のサッカースクールでプレーし始めたカプリーレは、2009年にキエーボ・ヴェローナのユースチームに加入し11年間プレー。しかしながら、トップチームでのデビューは果たせないまま退団することになった。
- 環境を変えるため、カプリーレはイングランド2部のリーズ・ユナイテッドに移籍。ビエルサから何度もトップチームに召集されたもののなかなか試合には絡めず、U-23チームを主戦場に戦った。
- その後、21-22にはセリエCのプロパトリアにレンタルされ3部でプロ初出場を飾った。翌22-23にはセリエBのバーリでプレー、シーズン終了後にナポリに買い取られた。
- しかし、ナポリではなかなか試合に絡めず。23-24にはエンポリにレンタルされ、2025冬にはカリアリにレンタル移籍。ここでの活躍が認められ、2025夏にカリアリに完全移籍して現在に至っている。
エピソード
- 少年時代からGKが大好きだったというカプリーレ。コーチにフィールドプレーヤーとしてプレーするよう求められると、泣いて嫌がったという。
- そのきっかけになったのは、人生で最初に買ってもらったユニフォーム。イタリア代表のブッフォンのユニフォームそれだ。本人曰く、「その金色のシャツのおかげで、このポジションに恋に落ちた」。
- 過去のインタビューで「日本に対して大きな情熱を持っている」と日本文化に惹かれていることを認めている。ドラゴンボールが大好きだそうだが、そうしたアニメ文化だけでなく、東洋哲学をはじめとした日本人の精神性にまで興味を持っているそうだ。
- ピッチ外では様々なポッドキャストを聴いて過ごしていると言い、未解決事件のドキュメンタリーや成功者へのインタビューなど、その興味は多岐にわたっているようだ。
- サッカー以外ではバスケットボール、特にNBAをよく観戦するという。
- 兄のヤコポはフロリダの大学に在籍しており、大学のチームでDFとしてプレーしながら代理人になることを目指しているという。将来名前を聞くかも!?
プレースタイル分析
以前、プレミアリーグファンの方が「GKはセリエAから買っとけば外れない」とツイートしているのが流れてきた。
言い方がいかにもプレミアリーグファンやなぁ…と思いつつ、セリエAのGKのレベルが非常に高いことには首がもげるほど頷きたい。見てないから他のリーグはよくわからんけど。
そんなセリエAのGKの中でも際立った活躍を見せているのがエリア・カプリーレである。
その衝撃度は、エンポリでブレイクしたときのヴィカーリオを思い出すレベル。プロビンチャでプレーするGKの中では頭一つ抜けた存在と言っていいだろう。
FBref.comのデータを見てみよう。
エンポリ時代の23-24のセーブ率は78.3%でセリエA4位、欧州5大リーグ6位という高数値。今季もこれとそん色ない76.9%という高いセーブ率を記録している。
PSxG-GA(失点期待値-実失点。平均的にしているであろう失点数からどれだけ実失点が少ないかを表している。数字が大きいほどすごい。)というスタッツでは2.0でセリエA5位。6試合で2失点を防いでいるという事を意味している。すごい(小並感)。
下にウディネーゼ戦のセーブ集を貼っつけておこう。この試合だけでも2点分くらい防いでいる気がする。
Super Caprile in #UdineseCagliari 🦸♂️ pic.twitter.com/4JVjjaLAAp
— Lega Serie A (@SerieA) October 6, 2025
カプリーレのセービングを支えているのは驚異的な反射神経だ。
至近距離からのシュートに対しても反応できるということ。そこに自信があるからこそ、カプリーレはヤマを張って先に倒れるという事をせず、常に飛んできたシュートを見て対応する。これ、いいGKの必須条件である。
もちろん反応できるだけでもすごいのだが、反応してボールに触る、触って防ぎきるためには並外れた敏捷性も求められる。
カプリーレはとにかく腕も足も動きが速くて、即座にシュートコースを読み切ったうえで、そこに適切に腕を伸ばして防ぐ。
さらに、防いだ後に体勢を立て直しての連続セーブもお手の物。下のパルマ戦で見せた連続セーブは驚異的だった。彼の身のこなしの軽さを証明する場面だ。
ここまでの動画にも出ている通り、カプリーレは足元のシュートに対して滅法強い。
素早く足を抜いて倒れ込み、腕を伸ばしてセーブする。いわゆるコラプシングの完成度が抜群だ。
それでも間に合わないときには足を使ったセーブに切り替える判断も◎。自分の能力を完璧に把握しているからこそできる芸当だろう。
下に24-25のスーパーセーブ集を貼っておくのだが、ほとんどが足元に飛んできたシュートのセーブなので見てみてほしい。
さらに、アグレッシブなクロス対応もカプリーレの持ち味である。
再びFBref.comよりデータを拝借すると、クロスストップ数というスタッツでカプリーレはセリエAトップの数字をたたき出している。
ちなみに、カプリーレのクロスストップ総数は17(6節終了時点)となっている一方、2位は同8でダブルスコアをつけての圧倒的トップとなっている。

身のこなしが軽く、可動範囲が広いことがこの数字を支えている。
相手がロングスローを投げようとしているときのカプリーレのポジショニングを見てみてほしい。ゴールから大きく離れ、スロワーがターゲットにしようとしている相手の長身選手をカプリーレがマークするかのようにポジションしているのが見られるだろう。
それだけクロス対応自信ニキなのである。
一方、ビルドアップでの貢献度がそこまで高くないことには言及しておきたい。
エンポリ時代から通じて、カプリーレは相手からプレッシャーをかけられたら長いボールで逃げるという選択をしてきている。
FBref.comによれば、ゴールキック以外のキックに関してのロングフィード率は45.5%でセリエAで5番目の高さだそうだ。今季も長いボールで逃げる傾向は変わらない。
ショートパスによって相手のプレスを打開したり、ビルドアップに参加してフィールドプレーヤーのようにふるまったり…といったプレーを望めるタレントでは、現状ない。というのがカプリーレへの評価となるだろう。
ただ、ここは後発的に伸びる要素である。大きな伸びしろととらえてもいいかもしれない。
いずれにせよ、ビッグクラブ移籍が叶った際には、向き合わなければならない課題として立ちはだかるだろう。
というわけで、カプリーレをGK分類マトリックス上に位置づけるとすればこんな感じになるだろう。

すでにインテルがゾマーの後継者候補として動向を追っているとされるカプリーレ。シーズン終了後にはステップアップ移籍が既定路線とみられる。
昨季所属したナポリではメレトの壁に阻まれてしまったが、実力的にはイタリア代表に召集されておかしくないところまで来ていると思う。
好調カリアリの躍進の立役者としても要注目だ。