【空手仕込みのファイター】クリス・スモーリングのプレースタイル分析

当時7部相当のリーグに所属していたメイドストン・ユナイテッドでデビューしたスモーリング。そこからフラムを経由してマンチェスター・ユナイテッドで9シーズンにわたってプレー、206試合に出場するなど一時代を築いた。ちなみに、少年時代はアーセナルファンだったらしい。

そして、19-20シーズンからはイタリアにプレーの場を移し、ASローマでプレー。恩師モウリーニョ就任後は全盛期の輝きを取り戻し、昨季はクラブMVP級の活躍を披露した。

 

彼の最大の魅力は、圧倒的な空中戦の強さだ。イタリアにやってきて以来、常に空中戦勝率は70%代後半を維持している。これは驚異的な数値だ。194cmの長身に加えて跳躍力も抜群である。

これを活かし、セットプレーでは得点源となる。ローマにやってきてから、昨季までの4シーズンで10ゴールを挙げている。

 

空中戦だけでなく、クリア数やシュートブロック数など、構えて守るときのスタッツは軒並み高数値。こと跳ね返し性能に関してはセリエAトップクラスと言え、地空問わず対人には絶対の自信を誇る。

学生時代には柔道のイギリスチャンピオンになった、それどころか国際大会で準優勝したこともあるスモーリング。当時の経験が生きている、のかもしれない。

対してインターセプトなど前に出て守るプレーに関しては低数値となっている。これは、彼の機動力の欠如を表している。相手に背後に走られたときや前向きに仕掛けられたときにはアジリティの低さが露呈してしまうことも。横の揺さぶりに弱いのだ。

23-24開幕節サレルニターナ戦、2節ヴェローナ戦と2試合連続で彼の揺さぶりへの弱さが直接失点につながってしまった。

 

また、ビルドアップ能力も高いとは言えない。昨季、ローマは3バック中央のスモーリングを中盤に上げていた。これは相手を陽動するためではなく、スモーリングをビルドアップから除外することを目的としたアプローチであった。

得意なプレーと苦手なプレーがはっきりとしているため、戦術への合う合わないが激しいタイプだといえる。ただ、がっちりとハマったときにスーパーな存在となることは、モウリーニョとの旅路で示してくれた。

負傷による長期離脱期間中に恩師が去り、よりボール保持を重視するデ・ロッシが就任した。新しい環境でどんなプレーを見せてくれるか注目だ。

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