
レオナルド・スピナッツォーラはシエナユースを経てユベントスに引き抜かれ、そこからのレンタル先であるエンポリでプロデビューを果たした。その後レンタルで5クラブを渡り歩いたのち、16-17から2年プレーしたアタランタでブレイクする。
18-19に所属元のユベントスで1シーズンだけプレーした後、2019年夏にローマに加入。これが本格ブレイクのきっかけとなった。3バックの左WBとして絶対的な存在として君臨、アッズーリでもレギュラーになるなどリーグを代表するサイドバックに成長する。
2021年に行われたEURO2020での活躍で、その実力を世界中に知らしめた。しかしながら、その大会で負った大けがで21-22シーズンを棒に振ったあと、いまだ全盛期の輝きを取り戻せずにいる印象だ。
スピナッツォーラは右利きの左サイドバックとしてプレーしており、得意とするプレーエリアはアウトサイド高め。足元にボールを引き出し、カットインしながらドリブルで仕掛けていく。典型的なドリブラーSBだ。
彼の最大の武器は爆発的なスプリント。特に10~20mのショートスプリントに関しては驚異的で、数歩で相手の前に出てしまう。
いったんゆったりとボールを持って相手DFの足を止めた上で急加速し一気に置き去りにする、あるいはカットインの姿勢を見せてキックフェイントで縦に切り返し急加速で置き去りにする、というのが彼の突破のパターンである。
しかしながら、EURO2020でそのスタイルが全世界にバレた感がある。ケガからの復帰後、彼の縦突破を警戒するチームが多くなってきた。
これを受けて、スピナッツォーラは縦突破を匂わせながらじりじりと相手を押し込んで深い位置に侵入し、そこからインサイドに切り込むなどプレーの幅を広げている印象だ。
↓ じりじりと深い位置まで運んだあと、カットインから得点
また、相手を抜ききらずにクロスボールをあげることも増えている印象で、負傷離脱前よりもむしろクロスボールはうまくなっている。切り返しての右足はもちろん、縦突破してからの左足クロスも精度が上がってきている印象だ。
負傷離脱前のようなキレキレのドリブルが見られなくなったのは、彼個人のコンディションの問題はもちろんなのだが、それ以上に相手の対策による部分も大きいと考えている。
↓ 加速と切り返しで相手を翻弄した後、クロスボールでアシスト。スピナッツォーラらしいプレーだ。
ウィークポイントとしては、アウトサイドでの仕掛け以外のプレーでは凡庸であること、負傷癖などが挙げられるだろう。
スピナッツォーラは長期離脱前から細かい離脱が多い選手であった。セリエAでリーグ戦30試合以上出場したのは、アタランタ時代の16-17ただ一度のみだ。シーズンを通した稼働を見込みにくいのは大きなウィークポイントだろう。
しかしながら、一度プレーすれば相手の脅威となる選手なのは間違いない。特に、貴重なドリブラー型のサイドバックとしてリーグの第一人者的存在であることは高く評価していいはず。
ウイング顔負けの打開力で、今後もローマに貢献していくだろう。