【ポーランド期待のドリブラー】ニコラ・ザレフスキのプレースタイル分析

母国の共産主義政権に反対してイタリアに移住したポーランド人の両親のもと、イタリアで生まれ育ったニコラ・ザレフスキ。サッカーを始めたのは他のクラブだったが、その後すぐにブルーノ・コンティに見いだされて9歳の頃ローマの下部組織に入団。以後、ローマ一筋でプレーしてプロデビューに至る。

生まれも育ちもイタリアだが、代表は一貫してポーランドを選択。ユース年代から名を連ね続け、2022ワールドカップにも出場するなどすでにA代表に定着している。

ローマユースでは10番を背負ってトップ下でプレーしていたザレフスキだが、モウリーニョ政権では攻撃的MFのポジションがなかった。そこで、左のウイングバックとして継続的に起用されてきた。

彼のフィジカル的な武器は、爆発的なスプリント能力だ。これを活かしたシンプルに縦に突破してクロスボール、というプレーでも十分に脅威となる。

 

ザレフスキの縦突破からのアシスト

 

しかしながら、その縦突破をにおわせながら切り返しと緩急を駆使して仕掛けていくのがザレフスキのプレースタイルだ。

両利きであるザレフスキだが、基本的には右足でボールを持ってカットインの姿勢を見せる。縦を警戒してきた相手の間を割って入り、斜めに侵入していくプレーも彼の持ち味だ。

途中出場が多いザレフスキだが、ドリブルに関するスタッツを90分あたりで見るとチーム内でもトップクラスの数値を記録しており、限られた時間で積極的な姿勢を見せていることが見て取れる。

現在、アウトサイドからのドリブル突破に特化したプレースタイルになっている印象のザレフスキ左右のウイングバック、サイドバックをこなすサイドのスペシャリスト感がある。

sofascoreより、今季のザレフスキのヒートマップ。アウトサイドレーンに特化したプレースタイルがよくわかる。

しかしながら、本来は攻撃的MFとしてトップ下でプレーしており、3センターの一角でもプレーできるなどユーティリティー性を持つ。個人的には、ハーフスペースと往復しながらもっといろいろなことができそうに感じる。異なる戦術的文脈に置かれたザレフスキを見てみたいものだ。

 

これまでユース代表の常連としてプレーし、ゴールデンボーイウェブ2022にも選出されるなどその才能を高く評価されてきたザレフスキ。しかしながら、まだまだ課題も多い。

まずは、突破した後のクロスボール。成功率があまり高くなく、精度をさらに磨いて行く必要がある。そうすれば、アシスト数という目に見える結果がついてくるのではないか。

また、組み立てに絡むプレーにも改善の必要がある。CBから横パスを受けるときにサポート体制をとるのが若干遅く、体を開いて角度を作るといった細かいプレーも身についていない印象。ゆえに、相手のサイドアタッカーからのプレッシャーを受けて、雑にロングボールを蹴りだしてしまう場面が散見される。テクニックと戦術眼を兼ね備えているだけに、もっと組み立てにも絡めるタレントなはずだ。

そして、フィジカルコンタクトにも課題を残す。サッカー選手としては小柄な部類に入るザレフスキは、コンタクトプレーで相手DFに吹き飛ばされる場面が散見される。個人的には、ここがピッチ中央でプレーする際の障壁になっている印象だ。

 

昨季はスタメン出場の機会が多かったザレフスキだが、今季は一転してここまで先発7試合のみにとどまっている。停滞感が漂い始めているが、ここを打開できればさらに一皮むけるだろう。

デ・ロッシ体制移行後はより攻撃的なポジションで試されているザレフスキ。目に見える結果でアピールしていきたいところだ。

 

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