
コソボの首都プリシュティナ出身のイスマイリは、コソボ2部リーグのコリクというクラブでプロデビュー。そこからセリエAへとたどり着いた苦労人だ。
2016年2月に受けたトライアウトに成功し、クロアチアの名門ハイデュク・スプリトとの奨学金契約を勝ち取ったイスマイリは、セカンドチームでプレーしてトップ昇格を果たすと、4シーズンにわたって主力としてプレーした。
そして20-21シーズンにセリエA初昇格を果たしたスペツィアに乞われてイタリア上陸を果たすと、翌年にエンポリへ移籍。今季で3シーズン目となっている。
ちなみに、コソボ代表として1試合出場しているイスマイリだが、その後アルバニア代表に転向している。現在では最終ラインに欠かせない選手のひとりとして活躍中で、EUROでも注目のひとりだ。
イスマイリのプレースタイルをひところで表すと「堅実」である。攻守両面にわたって、チームに安心感を与える選手である。
保持面でいえば、安全なパスを選択してチームのボール循環に貢献する。
ルペルトと比較すると縦パスへの、ヴァルキエビチと比較するとロングフィードへの積極性で見劣りする。そこが物足りないと感じることがあるものの、まったくいいパスを出さないわけではない。タイミングを見て、パスの成功率が高いと判断したときには裏へのタッチダウンパスを見せる場面もある。
キーとなるパスの少なさは、技術力の不足というよりも、彼の安全志向によるものなのだ。だから、パスの成功率はチームでもトップクラスの数値となっている。
↓ ライン裏へのタッチダウンパスで決定機を演出した場面
守備においてもイスマイリは堅実なプレーを見せる。
特に目を引くのがタックル成功率の高さだ。ドリブラーに対するタックル成功率が85%という数字で、セリエAトップである。5大リーグで見ても3位にランクインしている。
イスマイリは機動力を備えており、ドリブラーに対してしっかりとついて行くことができる。そこからタイミングを見たタックルでボールを奪取するのだ。
イスマイリのタックルは正確にボールを捉える。タックル技術の高さが際立つのだ。特にスライディングタックルは必見だ。
激しくデュエルを仕掛けるタイプではなく、タックル技術も高いためイスマイリはカードをもらうことが少ない。今季もここまでイエローカードを受けたのは1度のみだ。
攻守に「〇〇成功率」系のスタッツで高数値を記録しているイスマイリ。彼の堅実さがデータにも表れているといえる。
攻守両面で完成度が高く、もっと評価されてもいい選手だと考えている。
今夏のEUROで活躍することができればステップアップも見えて来そうなだけに、注目したい。