
セバスティアーノ・ルペルトは5歳の時にサッカーを始めた。当初は左ウインガーとしてプレーしていたらしい。
そこからレッチェユース時代に左サイドバックにポジションを下げ、最終的にナポリでプロデビューするころにはセンターバックにポジションを移していた。この出自が、現在のプレースタイルの基盤となっているのだろう。
ルペルトはプロ契約後レンタルでの武者修行に励み、2つ目のレンタル先であるエンポリのセリエB優勝に貢献した。しかしながら、ナポリでは第4CBの地位から挽回できず、20-21のクロトーネを経てエンポリへと活躍の場を移して現在に至っている。
エンポリ復帰後3シーズン目、17-18を含めると4シーズン目となるルペルト。現チームのキャプテンを務める通り必要不可欠な存在となっており、今季はここまでリーグ戦全試合フル出場中という大黒柱だ。
ナポリ時代のチームメイトだったラウール・アルビオルから影響を受けたと語るルペルト。たしかに、そこまでフィジカル的には優れていないところ、ビルドアップに優れているところは相通じる部分だ。
もともとは攻撃的なポジションでプレーしていただけあって、ルペルトの足元のテクニックは高水準だ。左足から繰り出すパスによって攻撃陣を操る最終ラインのレジスタとして機能している。


ダビデ・ニコラ政権に移行後3バックの左をベースポジションとするようになったルペルトは、左サイドに大きく広がり、左サイドバックの位置から攻撃を操るスタイルを確立した感がある。
1列前にはチームの崩しの切り札カンビアーギがおり、彼と左ウイングバックがインサイドとアウトサイドを入れ替わりながら相手のマークを混乱させ、ルペルトが適切な選択肢を見出して縦パスを供給する、というのがエンポリのビルドアップの形として定着している。
↓ タッチライン際に開いたルペルトが、カンビアーギと入れ替わりでインサイドに侵入した左WBギャシにラストパスを供給した場面。
ルペルトは特段フィジカル能力に優れているわけではない。特に、スピードに関してはトップクラスと比較すると見劣りする。しかしながら、それを補うクレバーさを武器に、相手のエースとも堂々と渡り合う。
特に目立つのが予測力の高さ。相手の縦パスを認知してインターセプトを決めたかと思えば、ライン裏に出てきたボールに対し先回りして対応する。
ボール回収数チーム内2位、クリア数セリエA3位というスタッツが彼の先回り能力をよく表している。
また、相手アタッカーとコンタクトする場面では体の使い方のうまさが際立つ。体をぴったりとくっつけて相手の動きを制限してから頭で跳ね返したり、少し後ろから押してバランスを乱したりと、細かい駆け引きにたけている。
タックル技術も確かで、正確にボールを捉えるためラフなファウルがすくない。ここまでリーグ戦全試合にフル出場しながらイエローカード3枚は立派な数字だ。
個人的には、セリエAでCL出場権を争うようなクラブでも十分にスタメンを張れる器だと考えている。まだそこまでのすごみはないとはいえ、タイプ的にはアチェルビに非常に似ている。ゆえに息の長い選手になりそうな予感だ。
エンポリの象徴となっているルペルトだが、ビッグクラブでプレーする彼も見てみたい。そして、アッズーリにも召集されてほしい選手だ。
エンポリの試合を見るときには、彼に注目してみてほしい。