【ポーランド期待のレジスタCB】セバスティアン・ヴァルキエビチのプレースタイル分析

ポーランド出身のヴァルキエビチは、中学年代に上がるタイミングで母国最大のクラブ、レギア・ワルシャワに移籍する。

しかしながら、トップチームでデビューすることなく2017年にポゴニ・シュチェチンに移籍している。

ポーランドの年代別代表の常連だったヴァルキエビチは、U-20EURO予選でイタリア代表と対戦した試合で多くのスカウトをうならせ、2019年にはカリアリ・カルチョとの契約を締結。20歳でポーランドA代表デビューも果たしている。

2022年にカリアリが降格したのを機にエンポリへ移籍、今季で2シーズン目となっている。

 

ヴァルキエビチの最大の武器は高いビルドアップ性能である。

エンポリのCB陣はみなビルドアップ能力が高いのだが、ライバルのルペルト、イスマイリと比較してもヴァルキエビチは最もパス成功率が高くなっている。

しかし、これは決して安全なパスをつなぎ続けているわけではない。どちらかというと、ヴァルキエビチは他の2人を比較して長いパスを多く通している。特にサイドチェンジ数に関してはチーム内でトップの数字となっている。

短いパスをつないでボールを動かしつつ、味方が空いた瞬間を見逃さずに長いパスで展開を変える。最も長短のパスを使い分けながらもパス成功率が高いのがヴァルキエビチだ。

ライン間へポジションするコバレンコを見逃さずくさびを通した場面。サイドへの振り分けだけでなく、縦パスによって攻撃のスイッチを入れるのも彼の得意技なのだ。

 

さらに、ヴァルキエビチはドリブルによって局面を動かすスキルも体得している。フリーな味方が見つからなかったり、相手がしっかりと陣形を整えているときには、長い距離を運んで局面に変化をつける。正面に相手がいても、1枚剥がして運ぶことなどお安い御用だ。

「ドリブル突破成功率」「縦方向のキャリー」において、ヴァルキエビチはCB陣の中でトップとなっている。

 

このように、サイドチェンジからライン間へのくさびまでを使い分け、自ら剥がして運ぶこともできるヴァルキエビチ。多士済々なエンポリCB陣の中でも、総合的なレジスタ性能で見れば最も優れていると評価できる。

ボール保持型のチームにおいて最終ラインの中心を担える人材だろう。

 

守備面では、クレバーさが光る。

188cm・85kgと大柄なヴァルキエビチだが、その体格にものを言わせて相手をねじ伏せるような力強い守備はあまり見せない。かわりに、予測力を活かしたポジションの先取りやインターセプトによってクリーンにボールを奪う場面が多くみられる。

調べてもあまり分からなかったが、体が出来上がるのが遅かったためにこうしたクレバーさを身に着けたのでは?と想像してしまう。

タイプ的に近い守り方をするルペルトと比較すると、まだコンタクトプレーがあった時にバランスを崩してしまう場面が散見される。体格というストロングポイントを持て余している印象だ。

これが如実に出るのが空中戦。今季の勝率は50%を下回ってしまっており、苦手項目となってしまっているのだ。

持ち前のクレバーさに力強さが加わってくれば、もっと高く評価されるはずだ。

 

セリエAでプレーする若手CBの中でもモダンなプレースタイルを持ち、特にビルドアップ能力に関してはハイレベルなものを持っているヴァルキエビチ。

筆者個人的には、守備能力に磨きをかければ、ビッグクラブから声がかかってもおかしくない潜在能力の持ち主だと考えている。

今後の動向を注視したい存在だ。

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