【古典的デュエリスト】バルトシュ・ベレシンスキのプレースタイル分析

バルトシュ・ベレシンスキはユース年代ではウイングもしくはストライカーとしてプレーしていたが、右サイドバックに転向してレフ・ポズナンでプロデビュー。その後レギア・ワルシャワに移籍し、ポーランドリーグでの7シーズンでリーグ優勝5回、カップ戦優勝3回を成し遂げている。

ちなみに、レフ・ポズナンとレギア・ワルシャワはともにリーグを代表する強豪クラブであり、激しいライバル関係にある。両者間での移籍は禁断であり、イタリアで例えればインテルからユベントスに(しかもユース出身の選手が)移籍したようなものだ。裏切り者ということで、レフ・ポズナンサポーターからは「ユダ」と呼ばれ続けたそうだ。

もっとちなみに、現在レギア・ワルシャワには同じ右サイドバックの日本人選手、森下龍矢が所属している。

ポーランドを後にしたベレシンスキは6年間サンプドリアでプレー、キャプテンも務めるなどチームを代表する選手であった。 昨季後半のナポリへのレンタルを経て、今季からエンポリでプレーしている。

 

ベレシンスキはベースとしてのフィジカル能力に優れたアスリートだ。伝統的にサイドバックに求められるスプリント能力と持久力がハイレベルで、フィジカルコンタクトに耐えうるストレングスとボディバランスも持っている。また跳躍力もあり、空中戦に強い。

これらを活かした守備能力こそベレシンスキのストロングポイントだ。

相手アタッカーと対峙するベレシンスキ。
相手のアタッカーがスピード勝負を仕掛けてきた。
しっかりとついていきつつ体を入れてクリーンにボールを奪った。

上の場面のように、ベレシンスキは対人守備能力が高い。相手のドリブルに対して多少遅れてからでもついていけるスプリント能力、デュエルで負けない強さを持っており、対面のアタッカーを封殺してボールを奪う。

スピードを生かした裏のスペースケアもお手の物だ。 前述のように空中戦にも強いため、守備能力全般がサイドバックとしては高いレベルにあるといっていいだろう。 ダビデ・ニコラのもと3バックの一角で起用されているのも、ベレシンスキの守備力が評価されているからだろう。

 

一方で、攻撃に対する貢献には限界がある。 後方でビルドアップに参加するためには、特に戦術眼が不足している。そのため、フリーの味方にシンプルに預けるところまでが彼の役割となる。

敵陣でのプレーに関しても、クロスボールの精度があまり高くないために貢献度は低い。今季でプロ生活12シーズン目だが、通算のリーグ戦アシスト数は11。シーズン数以下となっている。

 

評価できるのは後方からのサポートランの鋭さ。アタッカーにボールが入った時、あるいはカウンターの時に持ち前の快足を飛ばして駆け上がり、攻撃に厚みを加えることができる。 サンプドリア時代には、カンドレーバとの縦関係を築いてよきサポート役となっていた。使われる側になることでベレシンスキは攻撃時にも貢献することができるだろう。

現在のエンポリは3バックを採用しており、ウイングが不在。ゆえに、ベレシンスキが最も輝くのは3バックの右サイドなのではないだろうか。

 

堅実な守備と精力的な縦の上下動に特長があるベレシンスキは、古典的なサイドバックということができるだろう。「ストレートランナー」に分類することができる。

20歳でデビューして以降、ポーランド代表に定着し続けているベレシンスキ。現状、右サイドバックの1番手である。 シーズン終了後のEUROでの活躍にも注目だ。

 

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