【ニュージーランドが生んだ新生】リベラト・カカーチェのプレースタイル分析

カカーチェは現在セリエAでプレーする唯一のニュージーランド人選手だ。首都ウェリントンでイタリア人の父とイタリア系ニュージーランド人の母のもと生まれ、父の出身地のクラブであるSSCナポリのティフォージである。

そんなカカーチェはアイランド・ベイ・ユナイテッドのユースで育ち、16歳でウェリントン・フェニックスと契約した。

ニュージーランドのクラブと言えばクラブW杯でおなじみオークランド・シティが有名だが、彼らが所属するニュージーランドリーグはセミプロチームで構成されている。

一方、カカーチェが所属していたウェリントン・フェニックスはニュージーランドを本拠としながらオーストラリアのプロリーグ、Aリーグに越境参加しているクラブである。したがって、ニュージーランド唯一のプロクラブということになる。

ニュージーランド1部には、当クラブの2軍に当たるウェリントン・フェニックス・リザーブズが所属しており、カカーチェもここでプレーしている。

その後18歳でウェリントン・フェニックスのトップチームに昇格するなりスタメンをつかんだカカーチェは、クラブ最年少ゴール、クラブ最年少での50試合出場到達など次々と記録を打ち立てて注目を集めた。

すると2020年夏にはベルギー1部のシント・トロイデンに加入。2年間プレーし、2022年冬からエンポリでプレーしている。

 

カカーチェは総合力の高いサイドバックである。

まず、基礎的なフィジカル能力に優れている。伝統的にサイドバックに求められるスプリント能力持久力を持っており、ピッチをエネルギッシュに上下動できる能力を持っている。

さらに、足元のテクニックも悪くない。特にキック精度の高さには自信を持っていて、コーナーキッカーを務めるほどだ。

クロスボールからのチャンスメイクもお手の物。前方のウイングがボールを持っているタイミングで下について安全なパスコースを提供しつつ、ボールを受ければアーリークロスを送り込むのがカカーチェの得意なプレーだ。

このときにハーフスペースのペナ角あたりまで絞ってボールを受けるのがカカーチェの得意技。大外からではなく、より近い位置から鋭いクロスを送り込んでチャンスメイクする。

 

このように、伝統的なサイドバックに求められる能力を持ち合わせているカカーチェだが、単なるダイナミックでストレートなサイドバックではない。

後方からの組み立てに参加できるスキルも持ち合わせているのだ。ここまでチーム内でパス数が2位に入るなど、左サイド低い位置からの球出しでチームに貢献している。

最終ラインからスルーパスを供給したり、サイドチェンジで局面を変えたり…といったレベルにまでは到達していないものの、近くの選択肢から適切なものを選び取り、チームのボール保持の安定化に寄与している。

さらに、低い位置から運ぶドリブルも持ち合わせている。相手をかわして運び、一気に前進するのだ。ここまでドリブルに関するスタッツでもチームで上位にランクインしている。

対人守備も悪くない。持ち前の走力を活かして粘り強くついて行き、簡単には振り切られない。

このように、基礎的な能力はすべてそろっているのがカカーチェだ。

 

現在のプレースタイルは後方でビルドアップに参加しつつ、ウイングのサポートからのクロスボールでチャンスメイクするというものだ。全体的なプレーエリアが低いため、今回は「運び屋SB」に分類した。

FBref.comより、今季のカカーチェのヒートマップ。ピッチ低いエリアに行くほどプレーエリアが広くなっている。

 

テクニックがあるため足元にボールを引き出そうとしがちだが、ここにチャンネルランなどのサポートランの技術を加えればディ・ロレンツォのような完成度の高い万能型SBとして大成しそうなポテンシャルの持ち主だ。

セリエAでプレーする若手サイドバックの中でも注目すべき存在と言っていいだろう。

心のクラブであるナポリに加入し、ディ・ロレンツォの薫陶を受ける…といった展開を見てみたいものだ。

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