【遅咲きのチッチョ】フランチェスコ・カプートのプレースタイル分析

フランチェスコ・カプートは6部相当のアマチュアリーグに所属していたトリットというクラブでキャリアをスタートした。そこから5部アルタムラ、4部ノイカッタロと一歩ずつコンペティションを上げてきた苦労人だ。

10-11に半年間だけセリエAを経験したのを除くとずっとセリエBでプレーしてきたカプート。彼がようやく日の目を浴びたのは29歳となった17-18。26ゴールを挙げてセリエB得点王となり、エンポリをセリエA昇格に導いたのだ。

翌18-19には初の本格挑戦となったセリエAの舞台でも16ゴールを挙げ、エースとしてエンポリの残留に貢献した。さらにサッスオーロに移籍した19-20には21ゴールを量産。シーズン後に33歳にしてイタリア代表に初召集されると、2020年10月に当時のイタリア代表最年長ゴール記録を更新した。

6部から上り詰め、30歳になってようやく日の目を見た苦労人、カプート。彼はゴール後の「ビールパフォーマンス」からciccio(チッチョ。イタリア語で『太っちょ』の意)caputoの愛称で親しまれている。

 

多くのゴールを積み重ねてきたカプートだが、彼の得意なフィニッシュスタイルはどのようなものなのか。

カプートのゴールに関して、シュートを打った位置をピッチ上にプロットし、期待値の大きさを円の大きさで表現したもの。

上の図を見ると、カプートのフィニッシュがすべてペナルティエリア内から打たれていることが特徴的だ。そして、期待値が比較的大きいことも読み取れる。つまり、ゴール前でフリーになってシュートを打っているのだ。

カプートが得意とするのはエリア内で相手DFのマークを外してのワンタッチフィニッシュだ。サイドから上がってくるクロスボールに、ドンピシャのタイミングで合わせて決める。

あるいは、味方MFが前を向いた瞬間に裏へ動き出してラストパスを引き出し、冷静に決める形だ。 カプートはスピードに優れているわけでもなければ、フィジカル的な強さも、高さも持っていない。だからこそ、瞬間のタイミングで勝負するスタイルを磨いてきたのだろう。

こうしたスタイルが、カプートを息の長い選手にしているのだ。

 

↓ カプートのゴール集

ビルドアップに関しても、カプートはフリーになれるスペースを求めてうごきまわる。前後左右に大きく動き回るダイナミックポストを身上としているのだ。

SofaScoreより、今季のカプートのヒートマップ。敵陣の全域にヒートマップが分布している。
中盤に引いてきてボールを引き出すカプート。
MFと同じ高さにまで引いてきてボールを受けたカプートは、ダイレクトでさばいてフリーのサイドバックへ展開した。

上の場面のように中盤に引いてくることもあれば、サイドに流れて起点になることもできるし、裏に飛び出して直接スペースをアタックする意欲も旺盛だ。カプートのオフサイド数はチーム内で断トツの数値となっている。

ボールを受けた後、フリーの味方に届けるプレーも的確。サイドへの展開から、近寄ってきた味方へのやさしい落としまで使い分ける。コンタクトを受けなければ、精度は高い。

 

このように、ビルドアップに広域に絡みながらゴール前でクロスボールをフィニッシュするスタイルを持つカプート。ボール保持を軸に掲げるチームとの相性がいいプレースタイルと言える。 デゼルビのサッスオーロで全盛期を迎えたのも、ダビデ・ニコラ就任後に重心を落としたエンポリで定位置を失っているのも妥当だろう。

 

すでに36歳となっているカプートだが、いったいあと何年セリエAの舞台でゴールを積み重ねていくのか注目だ。

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