【ファイターに変貌】ユスフ・マレーのプレースタイル分析

高校年代からチェゼーナのユースでプレーしたマレーは、レンタル先のセリエCラヴェンナでプロデビュー。そこからセリエBのヴェネツィアへ移籍し、クラブの昇格に貢献したあとセリエAのフィオレンティーナに引き抜かれる。というふうに、徐々にカテゴリーを上げてきた。

昨季は後半戦をレッチェで戦い、今季はエンポリにレンタルされてプレーしている。おおよそ2年に1度のペースで移籍しており、なかなか安住の地を見いだせずにいるようだ。

ちなみにマレーは代表に関しても変更を経験している。ユース年代ではイタリア代表としてプレーしたものの、A代表は両親の出身地であるモロッコを選択している。

 

セリエAでプレーし始めてからは主力として初めて過ごすシーズンとなっている23-24のマレー。ここまで25試合に先発しており、出場時間はエンポリにおいて2番目に長いものとなっている。

デビュー当初は技巧を特長とする攻撃的MFであったマレー。しかしながら、エンポリに移籍した今シーズンにそのプレースタイルを大きく変化させている。

3センターのインサイドMF、もしくは2センターの一角で起用されている今季のマレーは、リーグ屈指のボールハンターとして躍動しているのだ。

今季ここまでの守備に関するスタッツはすべての項目でリーグトップ10入りを果たしている。

タックル勝利数はリーグ3位、パスブロック数に関してはリーグトップの数値をたたき出している。   マレーは非常に機動力に優れており、自分のマッチアップ相手にボールが入ればすぐさま距離を詰めることができる。このスピードが非常に速く、相手のパスをブロックできる距離にまで詰め寄ることができるからこそのパスブロック数トップなのだ。

さらに特筆すべきは、プレスバックが非常に速いことだ。最初のアクションが失敗に終わったら、マレーはすぐさまプレスバックしてDFと協力して相手アタッカーを挟み込む。 この次のアクションへ移るスピードの速さと、それを可能にする持久力こそがマレーの武器である。

守備アクションの連続性こそがマレーの高スタッツを支えているのだ。

ボールの移動中に距離を詰めるマレー。
相手がファーストタッチするタイミングですでにタックルを仕掛けることに成功している。
相手をサイドに追い込んだ後も、サイドバックに任せることなく自らスライディングタックルでボールを奪った。マレーらしい守備アクションの連続性が見られたプレーだ。

翻って攻撃の場面では、マレーはシンプルにプレーする。 最終ラインがボールを持っている場面では、相手のFWラインとMFラインの間でギャップに顔を出し、ボールを受けてはシンプルにさばいて後方部隊と前線部隊の中継役となる。

少ないタッチでショートパスをつないでいくのがマレーのスタイルだ。ロングパスはあまり出さず、運ぶドリブルも滅多に見せない。独力で局面を打開するようなプレーは持っていないものの、チームにリズムを生み出すという点では適役だ。

崩しの局面でも同様にしてボールを受けては少ないタッチでクロスボールやスルーパスを送り込む。キーパス数はチームトップとなる31を記録しており、攻撃の局面でも重要な役割を果たしている。

守備性能ではリーグでも上位と言って差し支えない能力を見せているマレー。彼が並の選手で終わるか、さらに声価を高めるかは、目に見える結果を出せるかどうかにかかっているといえる。そのためには、よりラストパスの精度を上げ、ミドルシュートも狙っていくべきだろう。

プレースタイル的に似ているボーヴェと比較すると、攻撃での貢献度でマレーは見劣りしている。 とはいえまだ25歳。ここからもうワンステップ階段を上がってもらいたいものだ。

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