アレクセイ・ミランチュク

地元のサッカースクールでプレーをはじめたミランチュクは、2010年から1年間だけスパルタク・モスクワでプレーしたが即退団、翌年に加入したロコモティフ・モスクワでプロデビュー。2020年にアタランタに移籍するまでの10年間をロコモティフで過ごした。
アタランタ加入後のミランチュクは定位置確保に苦しんだ。これを受けてレンタル移籍したトリノで輝きを取り戻したミランチュクは、今季再びアタランタに復帰。後半戦に入って先発出場の機会も増え、ここまで公式戦通算4ゴール9アシストを記録している。
ちなみに、ミランチュクにはアントンという双子の弟がいる。2人は同じスクールでサッカーを初めてから、アレクセイがアタランタへ移籍するまでまったく同じキャリアを歩んできた。アントンは現在でもロコモティフ・モスクワでプレーしている。
さらにちなみに、アレクセイとは、80年代後半から90年代前半にソ連とロシアで人気を博した歌手アレクセイ・グリジンからとっているそうだ。
ミランチュクは、まさにファンタジスタというにふさわしいプレーヤーだ。
左足のボールタッチは繊細で、常に足元にボールを置きながらプレーする。周囲をうかがいながら、ここぞのタイミングで味方にラストパスを供給してチャンスを作り出す。ボールを常に足元に置いているので、タイミングを逃さずにパスを供給することができる。
ミランチュクは先発出場の機会がそこまで多くないにもかかわらず、今季のアタランタで2番目のアシスト期待値を記録している。90分あたりに換算したときのアシスト期待値はセリエAトップだ。今季のセリエAで見ても屈指のチャンスメーカーと言えるだろう。

ミランチュクのプレーエリアはおもに2つだ。
ひとつは相手のMFラインとDFラインの間、いわゆるライン間だ。繊細なボールタッチと高度なテクニックを持つミランチュクは、狭いエリアでもプレーできるプレーヤーだ。ライン間でボールを引き出し、ターンしてラストパスやフィニッシュを繰り出す。
彼のプレーで特徴的なのは、相手のタイミングをずらす駆け引きだ。ボディフェイクや目線によるフェイクを駆使して相手の足を止めた上でボールを持ちだし、瞬間的にコースを作り出すのがうまい。
そして、できたコースを正確に射抜く左足キックの精度も見事。特にコースを狙ったコントロールショットは芸術的だ。
Giù il cappello 🎩
Hats off 🙌😍#Miranchuk #GoAtalantaGo ⚫️🔵 pic.twitter.com/fcqOj3tAdk
— Atalanta B.C. (@Atalanta_BC) March 1, 2022
🏆 | GOAL OF THE SEASON
Miranchuk a giro sul palo lontano 🟰 gol a Firenze! ↩️
È il tuo gol preferito? Metti like! 🥇#SFT pic.twitter.com/3ZzCmZrR9A
— Torino Football Club (@TorinoFC_1906) June 20, 2023
これを狭いスペースで完結できるため、ミランチュクはライン間でのプレーを苦にしないのだ。
もうひとつのプレーエリアが左サイドの2レーン。左利きのミランチュクは、カットインしながらクロスボールや斜めのラストパスを狙うのだ。
Miranchuk 🌈
Koopmeiners 🤯#RomaAtalanta #GoAtalantaGo ⚫️🔵 pic.twitter.com/N2GxumqwYE— Atalanta B.C. (@Atalanta_BC) January 8, 2024
フィジカル的に恵まれているわけではないため、非保持時の強度は不安がある。また走力や推進力がなく、ドリブルで長い距離を持ち運ぶようなプレーも得意ではない。
あくまでも足元にボールを引き出して攻撃の最終局面をデザインすることで輝く、「アシストマン」の代表例。現代サッカーでは少なくなったファンタジスタの典型であり、その風貌からも「マエストロ」という単語がよく似合う選手だ。
フィジカル的に頑強な選手がそろうアタランタにあって異端児的な存在となっているミランチュク。ゆえに、チームに変化を加えられる選手だ。
今思えば、アタランタ全盛期におけるイリチッチも同じような役割を果たしていた。ミランチュクは次なるイリチッチになれるのか注目だ。