シャルル・デ・ケテラーレ

デ・ケテラーレは7歳で加入して以降クラブ・ブルージュ一筋で育ってきた。
少年時代には地域のユーストーナメントで優勝するほどにテニスもうまかったようだが、最終的にはサッカーを選択した。
19-20にプロデビューを果たすと、20-21には主力に定着。21-22にはリーグ戦33試合14ゴール6アシストと大活躍し、欧州中から注目を集めた。
そして22-23シーズン、補強の目玉としてミランに迎えられる。大いに期待されたデ・ケテラーレだったが、ノーゴール1アシストと大きく期待を裏切ってしまう。
彼は非常に内気な性格であり(趣味はダーツ鑑賞と法律の勉強だそうだ)、そこが本来の能力を発揮できなかった理由かもしれない。
実際、心機一転加入したアタランタで、今季ここまでで公式戦34試合10ゴール7アシストと輝きを取り戻しているのだ。
童顔で王子様系なデ・ケテラーレだが、そんな見かけに似合わずプレースタイルは想像以上にフィジカルなものだ。
伊東さんがいつかのサッカーキングで「カカーっぽい」と言っていたが、言い得て妙だ。
192cmと長身であるデ・ケテラーレは、相手を背負って縦パスを収め、起点になることができる。いわゆるポストプレーができるのである。
その特性ゆえに、アタランタ加入後には1トップとして起用される試合も見られている。
さらに、そこから強引に前を向いてドリブルで相手を押し込むことができる。いわゆる「ワイドポスト」である。この一連の流れはアタランタで強く求められている動きであり、これを高次元でこなせることはガスペリーニがデ・ケテラーレを重用する理由になっている。
この強引な突破こそがデ・ケテラーレの魅力。テクニックを駆使したきれいな突破ではなく、パワーとスピードを前面に押し出した、いわゆるゴリブルによって局面を打開していく。
今季のデ・ケテラーレはサイドに流れてボールを受け、そこからのゴリブルによってペナルティエリア内へ侵入してチャンスを広げるというタスクを担っている。現チームの切り込み隊長というわけだ。
ドリブル突破試行数、ドリブルによるペナルティエリア内への侵入数はいずれもチーム内トップとなっている。
ここまではウイング的な要素だが、デ・ケテラーレはストライカー的な要素も備えている。
デ・ケテラーレは得点力が高い選手だ。その得点は大部分がペナルティエリア内から生まれている。
最も多いのは、ゴール前に入っていって味方のクロスボールに合わせる形。いわゆるワンタッチフィニッシュが最も多い。
さらに、長身を生かしたヘディングでのフィニッシュも可能。アタランタでの初得点もヘディングから奪っている。
↓ クラブ・ブルージュ時代の全ゴール集
また、デ・ケテラーレはラストパスを引き出す動きもうまい。相手から離れるように外に流れたり、CBの間に鋭く入り込んだりと、様々な動き方でフリースペースを突く。
パスの受け手としても優秀なのがデ・ケテラーレなのである。
↓ 裏のスペースを突く動きからストップしてフリーとなり、豪快に決めた一撃。ゴラッソに目が活きがちだが、そのひとつ前の動き出しの巧みさに注目だ。
また、デ・ケテラーレは守備に対しても献身的だ。アタッキングサードでのタックル数がチーム内でトップとなっている通り、積極的にタックルを仕掛けてボールを奪う。これもアタランタにハマっている要因だろう。
このように、様々な強みを持っているデ・ケテラーレ。彼の課題は、メンタル面に起因するムラっ気が強いことだろう。
大きな期待を持って迎えられたミランでプレッシャーにのみ込まれたように、デ・ケテラーレはメンタルが整わないと途端にプレー精度が落ちてしまう。
これは1試合単位でも言え、決定機をミスしたり、強引さが裏目に出るようなミスが何度か続いたりすると、どんどんとトーンダウンしてしまう試合が見られる。
すべての試合で安定したパフォーマンスを見せるためには、メンタル面を改善しなければならないのではないだろうか。
アタランタでの復活で再び人気銘柄になりつつあるデ・ケテラーレ。ミランが来季スカッドに加える気はなさそうで、アタランタが買い取らなければ市場に出ることになるだろう。
来季はどのクラブでプレーすることになるのか。そして、そのクラブで活躍することはできるのか。オフシーズンの動きにも注目したい選手だ。