マリオ・パシャリッチ

ドイツのマインツで生まれたパシャリッチは、その後すぐに両親の母国クロアチアに戻り、そこでサッカーを始めた。
地元クラブでのプレーが注目されて11歳で名門ハイデュク・スプリトに加入すると、順調にカテゴリーを上げていった。
U-19クロアチア選手権優勝に大きく貢献して注目を集めたパシャリッチは、2013年にプロデビュー。すると13-14には主力に定着し、11ゴール4アシストを記録した。
これを受けてチェルシーがパシャリッチを獲得することになるのだが、即レンタルに出されて以降エルチェ、モナコ、ミラン、スパルタク・モスクワと異なる4ヵ国のクラブを渡り歩き、ついにはチェルシーでの出場がないまま退団することになってしまった。
挫折を味わったパシャリッチだが、転機となったのは2018年のアタランタ加入だった。ガスペリーニのもと復活し、今季までの6シーズンで公式戦通算48ゴール30アシストと活躍している。
パシャリッチの最大の魅力が高い得点能力だ。プロデビュー当初から通じて、多くの得点を決めてきた。
メインのポジションは決して攻撃的MFではなく、セントラルMFでの起用が最も多いパシャリッチ。3列目からの飛び出しの巧みさが彼の得点力を支えている。
低い位置からするすると前線に上がっていき、前線にできたスペースを突いて行く。空いたスペースを見つける戦術眼、味方とタイミングを合わせて動き出す感覚に優れている。
裏に飛び出して冷静に沈めるのがパシャリッチの最も得意な形だ。
また、パシャリッチは空中戦に強い。188cmの長身を生かし、ストライカーさながらにヘディングでの競り合いを制して決める。
相手を押し込んだ場面では、第3のストライカーとしても機能できる資質を持っているのだ。
さらに、パシャリッチは両足で精度の変わらないフィニッシュが可能だ。
transfermarktによれば、アタランタ加入後のゴールは、左足15点で、右足で22点、ヘディングで7点だ。これだけバランスよくゴールが決められる選手も珍しい。
両利きであることもまたパシャリッチの強みなのだ。
↓ 21-22のパシャリッチのゴール・アシスト集
非保持時には、そのフィジカルを活かしたデュエルで対面の相手を封じ込める。守備性能も決して低くはない。ゆえに、どのクラブでもセントラルMFとして起用されてきたのだろう。
ガスペリーニはオランダ時代には守備的MFを本職としてきたコープマイネルスをトップ下に置き、パシャリッチをセントラルMFとして起用している。
より低い位置での強度でパシャリッチが勝るとの判断ではないだろうか。
一方、パシャリッチには明確なウィークポイントもある。組み立てでの貢献度が低いのだ。
低い位置でボールを持ったパシャリッチは、長いパスで局面を変えたり、ドリブルで相手を動かしたりといった高度なスキルは持ち合わせていない。
インターセプトを狙う相手の動きが見えておらず、パスミスとなってしまう場面も散見される。ビルドアップでの貢献度は低いと言わざるを得ないだろう。


アタランタでプレーし早6年が経過したパシャリッチ。ガスペリーニスタイルとの相性が抜群ゆえに、今後もアタランタでプレーし続けてほしい選手だ。
あと何点ゴールを積み上げてくれるのか楽しみだ。