【ナイジェリアのスナイパー】アデモラ・ルックマンのプレースタイル分析

アデモラ・ルックマン

ナイジェリア人の両親のもとロンドンに生を受けたルックマンは、古豪チャールトン・アスレティックでプロデビューを果たした。

16-17、イングランド3部で5ゴールを挙げていた1月にエバートンに引き抜かれたもののなかなか主力に定着できず。

19-20からはライプツィヒ、フラム、レスターと3シーズン連続で所属クラブを変えてプレーするなど、なかなかキャリアが定まらなかった。

転機となったのは2022年のアタランタ移籍。初年度から公式戦通算15ゴール6アシストとキャリアハイの数字を残したのだ。

今季もここまで9ゴール5アシスト。1月から2月にかけてはナイジェリア代表の一員として参加したアフリカ・ネイションズ・カップでいずれもチーム最多タイとなる3ゴール1アシストを記録してチームの準優勝に貢献した。

ガスペリーニのもと覚醒し、まさにキャリアの全盛期を謳歌している。

 

ルックマンはウインガーなのか、ストライカーなのかがわかりにくい選手だ。ピッチ中央で相手を背負うプレーヤーではないが、かといってアウトサイドを主戦場とするウインガーかと言われるとそれも違う。ストライカーなのかウインガーなのか分からない、まさにガスペリーニ好みのプロフィールの持ち主だ。

4-3-3を採用するナイジェリア代表でウイング起用されていたことから、ここではウインガーとしてマトリックス上に位置付けていきたい。

 

ルックマンの最大の魅力は得点能力の高さだ。過去の成績を見ても、アシスト数よりもゴール数の方が圧倒的に多い。

彼の得点力を裏付けているのは、シュートとキックフェイントのうまさだ。

ルックマンのシュートは非常にパワフルで鋭い。思い切り打ち抜くから、見ていて気持ちがいい。

インフロントで巻くようなコントロールショットはほぼ使わず、インフロントで思いっきり振り抜くのだ。それでいて非常にコントロールされているのだからすごい。

 

この右足を相手との駆け引きにうまく使うのがルックマンのスタイルだ。

ペナルティエリア周辺でボールを持ったルックマンは、右足シュートを突き付けながらキックフェイントで相手のタイミングを外していく。そうしてシュートコースを作り出したり、持ち出してさらにゴール前へと侵入していくのだ。

ルックマンのドリブルは難しいフェイクは使わず、このキックフェイントのみで突破していく。相手DFの頭の中に彼の強烈なシュートを意識させられるからこそできる芸当だ。

 

↓ 右サイド角度のないところからゴール左下に突き刺したゴールシーン。シュートフェイクで相手に足を出させ、空いた股の下を射抜く見事なゴールだ。

 

↓ 何度もキックフェイントを繰り返しながらシュートコースをつくり出したルックマン。彼の真骨頂が見られた場面だ。

 

また、ルックマンは味方のクロスボールに合わせる形でのゴールも多い。オフ・ザ・ボールでゴール前に飛び込むセンスも持ち合わせている。

長身ではないルックマンだが実はヘディングも得意で、うまくコースを狙って決める。

understatより、ルックマンのゴールに関してシュートを打った位置をピッチ上にプロットし、期待値の大きさを円の大きさで表現したもの。

上の図を見ると、ルックマンのゴールはほぼすべてがペナルティエリア内から決まっていることがわかる。

キックフェイントを駆使しながらペナルティエリア内にまで侵入してからシュートを放っていることの裏付けであると同時に、味方のラストパスを引き出してそれに合わせる形でのゴールも多く決めていることがよくわかる。

 

密集を抜け出すドリブルを得意とするルックマンだが、創造的なスルーパスやアウトサイドからのクロスボールといったプレーはそこまで得意とはしておらず、あくまでもフィニッシャーである。

ハーフスペースが彼の主戦場であり、ゆえにウイングとストライカーの中間的な存在だ。

選手分類マトリックス上では、かなりフィニッシャーに偏ったカットインシューターに分類できるだろう。

 

リバプールを下してEL準決勝に進出したアタランタ。マルセイユを下せば、クラブ史上初の欧州カップ戦決勝戦に進出となる。そして、優勝すればこれもまたクラブ史上初だ。

タイトル獲得にはルックマンのゴールが欠かせない。彼の活躍に期待したいところだ。

 

コメントを残す