【アルバニアのDFリーダー】ベラト・ジムシティのプレースタイル分析

ベラト・ジムシティ

アルバニア人の両親のもとスイスで生まれ育ったジムシティは、名門チューリッヒの下部組織を経てプロデビュー。すぐさま主力に定着し、4年間で公式戦135試合に出場した。

2016年冬、ジムシティはアタランタへ移籍する。翌夏からセリエBのアヴェッリーノ、セリエAのベネベントへのレンタルを経て2018年にアタランタのスカッドに加わったジムシティは、今季6シーズン目を迎えている。

ユース年代ではスイス代表としてプレーしてきたジムシティだが、A代表は両親の出身地であるアルバニアを選択した。

このアルバニア代表は年々力をつけてきており、今夏行われるEURO2024はポーランドとチェコを抑えて予選首位通過での参戦となった。セリエAでプレーする選手も多く、個人的に注目したい国である。

そのアルバニア代表でキャプテンを務めるのがジムシティだ。最終ラインの大黒柱として絶対的な地位を築いている。

 

そんなジムシティの最大の強みが、対人守備である。

相手の動きに応じてアクションを起こすマンツーマンでは、リアクションの早さと絶対的なフィジカルが求められる。マンツーマン守備をベースに置くアタランタにおいて、ジムシティにはこれを忠実に遂行できるだけのフィジカル性能がある。

アジリティに優れるジムシティは、マッチアップ相手の動きにしつこくついて行き、短い距離を保つ。そしてボールが入れば、体を寄せてタイトな守備を行う。いわゆる「ハードマーカー」だ。

可能ならインターセプトを狙う意識も強く、今季のインターセプト数はここまでセリエA3位となっている。

 

さらに、アジリティだけでなくスプリント能力にも優れるジムシティは、相手アタッカーとの競走に負けない。また、味方が裏を取られたときのカバーリングにも優れている

 

そして、背走しながらのスライディングタックルの技術に優れているのも彼の強みだ。確実にボールを捉えてはじき出す。

また、滑るかどうかの判断も正確。危ないと思えば無理に滑ることはせず、ここぞというタイミングでのみスライディングを見せる。そのためラフなプレーが少なく、ファウルやカード数も少なくなっている。

 

このスライディングタックルはシュートブロックにも転用される。ここぞのタイミングでコースに体を投げ出してシュートを弾き返す。今季ここまでのブロック数はセリエAで2位の数字だ。

 

また、地上戦だけでなく空中戦にも強いのがジムシティ。相手に密着して動きを制限しながらはじき返すスキルを習得しており、長身かつ駆け引きがうまいのだ。データで見ても、たびたび空中戦勝利数や空中戦勝率のスタッツでセリエA上位にランクインしている。

 

このように、地空ともに全般的な守備能力が高いジムシティ。一方で、保持時の貢献度には限界がある。

ビルドアップ能力に関しては凡庸で、フリーな味方にシンプルなパスを当ててボール循環に貢献するところまでが彼の役割。長短のパスの使い分けや、ドリブルで局面を動かすといった高度なスキルは持ち合わせていない。

総合的な守備能力とフィジカル能力が非常に高い一方、保持時の貢献度は限られているジムシティ。典型的な「ハードマーカー」に分類されるだろう。

 

昨季までは3バックの左を主戦場としていたジムシティだが、今季は3バック中央で起用される試合も多かった。アタランタのCB陣の中でも最も対人能力を強く求められるこのポジションへの適性も示したことで、さらに評価を高めている。

トロイ、デローンに次ぐ第3キャプテンとしてチームを引っ張る存在であるジムシティ。セリエAでは過小評価されている印象が強いが、今夏のEUROで活躍して評価を高めてほしいものだ。

 

コメントを残す