【アタランタの宝石】ジョルジョ・スカルビーニのプレースタイル分析

ジョルジョ・スカルビーニ

地元のパラッツォーロというサッカースクールでプレーを始めたスカルビーニは、10歳のころブレシアの下部組織に加入し2年間プレー。そして、中学年代に上がるタイミングでアタランタのユースに加入した。

各年代のイタリア代表に選出されながら順調にステップアップしていったスカルビーニは、21-22シーズンに17歳でプロデビューを果たすと、初年度から21試合に出場して注目を集めた。

昨季はシーズン前半に主にMFとして起用され、後半戦には3バックの一角で完全に定位置を確保して今シーズンに至っている。

すでにA代表デビューも済ませており、2023年のイタリア人ゴールデンボーイ賞に選出されるなど、若手イタリア人DFとして頭一つ抜けた存在である。

そのプレースタイルやフィジカル的特性が類似しており、同じアタランタユース出身であるアレッサンドロ・バストーニに例えられることが多いスカルビーニ。だが、本人はチアゴ・シウバにインスピレーションを得ていると語っている。

ちなみに、背番号42をつけてプレーしているスカルビーニだが、これは家族全員の誕生日を合計した数字だからとのことだ。

 

スカルビーニのベースにあるのは、恵まれたフィジカルだ。

194cmとそもそもが長身である上に、跳躍力にも優れているスカルビーニは、空中戦に非常に強い。

セットプレーではターゲットとしても重要な役割を果たすことができる。

 

これだけの長身であるにもかかわらず、スカルビーニは機動力にも優れている。

守備的MFとしての起用にも耐えうるだけの持久力アジリティ、さらにはダッシュ力にも優れている。194cmの長身でこれだけ機動力と軽やかな身のこなしを備える選手は珍しい。

裏のスペースに抜けてきた相手アタッカーと競走になったとしても負けずについて行けるだけのスプリント力は、現代サッカーにおいて大きなアドバンテージだ。

 

これだけを聞くと、スカルビーニは細身ゆえにこれだけの軽やかさを持っており、パワーでは見劣りする部分があるように思える。

しかし、スカルビーニがフィジカルコンタクトでバランスを崩す場面は皆無なのだ。

たとえばスカルビーニがスタンディングタックルを相手に見舞うとき、決してパワーを持って思いっきりぶつかっているようには見えない。むしろ脱力しているようにさえ見える。でも、どういうわけか相手が吹っ飛ぶのだ。中国武術のような何かを身に着けているのだろうか。

細身でこれだけコンタクトに強いのは、ディバランスが並外れている証拠だろう。これも彼の恵まれたフィジカルのなせる業である。

 

 

さらに、スカルビーニはもろもろのテクニック面でも非常に優れた能力を持っている。

非保持面でいえば、スカルビーニはクリーンさを売りにしている。

ファウル数は41とチーム内で2番目の多さにもかかわらず、今季ここまでに受けたイエローカードは2枚のみ。チャレンジがフェアだからこそ、カードをもらわないで済むのである。

スカルビーニは、先輩CBたちと比べると相手アタッカーとのコンタクトが少ない。ボールにのみチャンレンジすることを意識しているように見える。

194cmという長身のスカルビーニは、相手に背負われていても足を伸ばしてボールをからめとれる。だから、相手に無駄なコンタクトをする必要がないのだ。

ゆえにスカルビーニのタックルはほとんどがスタンディングタックルであり、それも相手に対してコンタクトするのではなくボールに対してチャレンジするのだ。

 

さらに、スカルビーニはインターセプトの達人でもある。予測力と機動力に優れ、相手の縦パスが入ってくるタイミングでスッと前に出て奪い去る。インターセプトは最もクリーンなボールの奪い方であり、これが並外れているのもスカルビーニのクリーンさを際立たせている。

 

さらに、ボールを奪った後のドリブルもスカルビーニの武器だ。機動力とテクニックに優れるスカルビーニは、巧みに相手をかわして持ち運ぶ。こうしたダイナミズムも彼の持ち味だ。

 

また、長短のパス精度も高く、組み立てでの貢献度も高い。3バックの左で起用されることが多い今季のスカルビーニは、低い位置からできるだけ味方の足元にボールを届けようという意識がうかがえる。

パスコースが見えればグラウンダーのボールでシンプルに配球し、前進を助けている。すべての選択肢が消されているときはロングボールで深さをとる、あるいはサイドチェンジで局面を変える印象だ。

まだ4バックの一角でから単独で試合を組み立てるほどのレジスタ性能を備えているようには見えない。ここは環境が変わってから磨かれていくのではないだろうか。

 

現在まだ20歳でありながら、現代CBに求められる能力をすべて、それも高次元に兼ね備えているスカルビーニ。イタリアどころか、世界中で見ても今後世界のトップを争うべき資質を備えたプレーヤーだといえる。

彼がキャリアを通じてどれだけのことを成し遂げてくれるのか、今から楽しみである。

 

 

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