【ボスニアの用心棒】セアド・コラシナツのプレースタイル分析

セアド・コラシナツ

ボスニア人の両親のもとドイツで生まれたコラシナツは、地元のカールスルーエSCで8年間プレーした。

高校年代に上がるタイミングでホッフェンハイムのユースに加入すると、そこからシュツットガルト、シャルケと1年ごとに強豪クラブのユースを渡り歩き、11-12にはシャルケU-19でユースレベルのドイツリーグで優勝を果たしている。

これが評価されて翌シーズンからプロ契約を締結したコラシナツは、5シーズンシャルケで活躍。最終シーズンには3ゴール8アシストの数字を残したことが評価され、翌年からイングランドのアーセナルに移籍して3年半プレーしている。

アーセナル退団後はシャルケ、マルセイユを経て今季からアタランタに移籍しイタリアに活躍の舞台を移している。

 

コラシナツといえば、アーセナル時代のチームメイト、エジルが刃物を持った2人組の強盗に襲われた際、助手席に乗っていた彼が素手で撃退したエピソードがあまりに有名だ。

見るからに頑強なコラシナツを一目見れば、刃物を持った強盗がビビるのも納得である。

 

コラシナツは、ピッチ上でも相手アタッカーを撃退し続けるハードマーカーとして活躍している。

本来は左サイドバックながら、アタランタ加入後は3バックの左に固定されているコラシナツ。アタランタの左サイドにしっかりと蓋をしている。

彼のベースにあるのは、優れたフィジカル能力だ。筋肉で武装した屈強な肉体を持っており、ボディバランスにも優れているためデュエルでは無敵だ。

さらに、重量級でありながら機動力にも優れている。相手アタッカーに走り負けないスプリント能力はもちろんのこと、切り返しについて行くアジリティもハイレベル。ゆえに、地上戦には絶対の自信を持っている。

 

優れたフィジカルを持っているコラシナツだが、それに頼らず基礎的な原則を徹底しているのも好印象だ。

ボールの移動中に一気に距離を詰め、相手がパスを受けて前を向いたらしっかりとストップして次の動きに備える。そして、相手の持ち出しに合わせてついて行き、タックルを食らわせるのだ。

跳躍力には劣るため、CBとしては空中戦に不安があるため、4バックの中央で起用するのは困難だろう。

しかし、アタランタのように3バックかつマンマークを採用しているチームでは、対人の鬼として活躍できるのだ。戦術とのかみ合わせもあって、アタランタにおけるコラシナツは大きな輝きを見せている。

 

保持時についても、コラシナツは大きな貢献を見せている。

彼は意外にもビルドアップ能力に優れており、後方からの球出しでは質の高いくさびを供給して攻撃のスイッチを入れている。

レンジの長いボールはほとんど蹴らず、ショートパスによって相手のプレスを打開していくプレーは見ていて気持ちがいい。

コラシナツがボールを持っている場面。
パシャリッチの動き出しを認知し、スルーパスを供給。
相手CBとの1対1の場面を作り出した。

 

テクニックと戦術眼を持っているコラシナツだが、それ以上に目を引くのがプレス耐性の高さだ。

相手からの圧力を受けてもあわてることなく、適切な選択ができている。ビルドアップでの貢献度はなかなかに高いといえるだろう。

ポジティブトランジションの場面。複数人の相手がゲーゲンプレスに出てきている。
冷静にフリーのパシャリッチにボールを預け、相手のゲーゲンプレスを打開した。

 

左サイドバック起用時には持ち前の走力を活かしたダイナミックな上下動で活躍していたコラシナツ。だが、3バックで起用されている今季は、後方でしっかり構えて相手の攻撃を跳ね返しつつ、適切な配球で貢献するという新たなスタイルを確立した感がある。

FBref.comより、今季のコラシナツのヒートマップ。敵陣でのプレーは限定的であることがよくわかる。

ガスペリーニのアタランタとの相性は抜群で、新たな全盛期を迎えそうな感があるコラシナツ。継続してセリエAで見たい選手だ。

 

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