エデルソン

ブラジル出身のエデルソンは、サンパウロ州3部リーグのデスポルティボ・ブラジルでプロキャリアをスタートさせた苦労人だ。
2018年、エデルソンは1部所属の名門クルゼイロと契約を果たす。当初はU20チームに加わる予定だったが、シーズン前のトップチームとの練習で当時の監督の目に留まりチャンスを与えられると、そのまま主力として1シーズンプレーした。
残念ながらクルゼイロはクラブ史上初の降格の憂き目にあってしまうのだが、そんなチームで最高の選手だったエデルソンはコリンチャンスへ移籍、翌年にはフォルタレーザへ舞台を移してプレーした。
2021年冬にはセリエAのサレルニターナに加入し欧州上陸を果たすと、翌21-22には主力に定着し活躍。2022年にはアタランタに引き抜かれている。
アタランタ加入初年度となった昨シーズン、序盤戦にはトップ下として起用されていたエデルソンだが、なかなか活躍できずに苦しんだ。
転機となったのはセントラルMFにポジションを移したことだった。これを機に輝きを取り戻し、今シーズンにはアタランタのMFの中で絶対的な存在となっている。
彼は3列目でこそ最も輝きを放つ選手なのだ。それは、彼のプレースタイルによる。
エデルソン最大の武器は、中盤の全域で行われるボール奪取である。
タックル数、タックル勝利数ともにセリエA2位となる数値をたたき出している通り、今季のエデルソンはセリエA屈指の潰し屋として活躍中だ。
アタランタはボール保持時にピッチに円を描くように布陣する戦術をとっており、中盤は空洞化する。ゆえにトランジション時に一気に通過される危険性をはらんでいる。
この中盤をひとりでカバーしてしまっているのがエデルソン。とにかくカバーエリアが広い。



彼がずば抜けているのは10~15mのショートスプリントの異常なまでの速さだ。最初からいいポジションを取り続けているわけではないのだが、ボールが抜けてくると察知した瞬間に一気に距離を詰めて相手に襲い掛かる。
そして、コンタクトプレーもどちゃくそ強い。屈強な肉体を持つエデルソンは、デュエルで相手を跳ね飛ばし、ボールを奪い取る。パワーとボディバランスが並外れているのだ。
彼が得意とするのは、数メートルのスプリントで一気に相手との距離を詰め、ダッシュの勢いをそのままタックルに乗せて相手にぶちかまし、ボールを奪い去る形だ。地上戦デュエルでは無敵の強さだ。
これほどダッシュ力とフィジカル的な強さを高次元で融合している選手は珍しく、非常に優れたアスリートであるといえる。イメージ的にはより足の速いケシエと言ったところだろうか。



エデルソンは保持時の貢献度も高い。
縦志向の強さが彼の特徴で、前向きにボールを持てば積極的にくさびをつけて攻撃のスイッチを入れようとする。スピードのある鋭いグラウンダーパスを出すことができ、狭いパスコースも通せる技術がある。
↓ エデルソンの縦パスによって決定機を演出した場面。
まれに放つロングフィードも精度が高く、より戦術眼を磨けば高性能なレジスタとしても活躍できそうだ。
さらに、ダイナミズムにも優れるエデルソンは機を見て前線に飛び出しフィニッシュにも絡める。今シーズンすでに5ゴールを決めており、得点力が高いMFであると評価できる。
↓ 前線への飛び出しによって得点を奪ったシーン。
SCAMACCA’S ASSIST 👨🎨 @Atalanta_BC pic.twitter.com/meTK41KgHt
— Lega Serie A (@SerieA_EN) April 17, 2024
最終ライン前でのボールハントと縦パスによる攻撃の組み立てはともに中盤低めのエリアで行われるアクションだが、そこから前線に飛び出しゴールを奪えることを考えると、エデルソンの最適なポジションは2センターの一角もしくは3センターのインサイドハーフだろう。
単独で中盤を制圧できる選手であるエデルソン。個人的には今季のセリエAでも最高のMFのひとりだと考えている。
アタランタの試合を見るときには、エデルソンにぜひ注目してほしい。