マルテン・デローン

オランダで生まれ地元のアマチュアクラブでプレーしていたデローンは、国内屈指の強豪フェイエノールトに引き抜かれて6年間ユースでプレーする。
しかしながら、プロデビューは同じ街をホームタウンとするライバル、スパルタ・ロッテルダムで果たしている。
スパルタ・ロッテルダムで3年、ヘーレンフェーンで3年と計6年をオランダで過ごしたのち、2015年夏にアタランタへ加入、セリエAへ活躍の舞台を移した。
翌年に一度ミドルズブラに移籍したものの、1シーズンだけを過ごしてすぐにアタランタへ復帰。以降アタランタでプレーし続けている。
ここまでアタランタでの通算出場試合数は332試合に登り、クラブ歴代2位の出場試合数となっている。
ちなみに、デローンはセリエA屈指のツイッタラーであり、たびたび大喜利ツイートを繰り出している。日本人受けのいいサッカー選手ではないだろうか。
My reaction to the new FIFA game. pic.twitter.com/BUDvEuoEKq
— Marten de Roon (@Dirono) November 22, 2023
デローンの最大の武器トロイ不在時には腕章を巻く副キャプテンであるデローン。ヘーレンフェーン時代には在籍2年目からキャプテンを務めていた通り、キャプテンシーを備えている。周囲を鼓舞する声掛けはもちろん、プレーでチームを盛り上げられるのもまたデローンの魅力だ。
デローンの最大の武器が、相手の攻撃の芽を摘む守備だ。特にトランジション時にデローンは大きな輝きを見せる。
ルーズボールへの反応が人一倍早く、素早くボールを回収して攻撃の継続に貢献するのだ。
相手がボールを持ったままドリブルで進んできたときには、素早くボールホルダーに詰め寄ってカウンターを阻止すべくタックルを仕掛ける。
コンタクトプレーで負けないフィジカル的な強さはもちろん、ピッチの全域をカバーする運動量、試合終盤になってもそれが落ちない持久力といった走力にも優れている。

アタランタが採用するマンツーマン守備への適性も十分だ。持ち前の機動力で相手について行き、ボールが入ればガツガツとぶつかってボールを奪い去る。
今季のデローンのタックル数、タックル勝利数はともにリーグで3本の指に入っており、セリエA屈指の潰し屋として躍動している。
その守備性能の高さゆえ、センターバックにもハイレベルに対応できるのもデローンの強みだ。
また、ボール保持局面では積極的な縦パスで攻撃を前進させる。
低い位置に降りてプレーするのが得意なデローンは、前を向いて味方への適切なパスコースを選び取ってボールを振り分けていく。このとき、積極的に縦を選択する傾向にある。
↓ パスカットからアシストした場面。
さらに特筆すべきはロングボールの精度の高さ。特にサイドチェンジに対して積極的で、現スカッドの中ではデローンが最も長いボールを使って局面を変えている印象だ。
一方で、危険なパスミスが散見される。デローンは味方の動きは良く見えているのものの、相手の動きを認知できていない場面が見受けられる。そのため、危険なボールロストが生まれている印象だ。
ここは要改善点だろう。


守備能力に関してはセリエAでも屈指であり、低いエリアで攻撃の芽をつぶしまくることで輝くデローンは、「防波堤」に分類できるだろう。
課題だったボール保持面での貢献も年々改善されてきている印象で、完成度の高い守備的MFとして成熟を迎えている。
今が旬のデローンのプレーは必見だ。