【超万能レフティー】トゥーン・コープマイネルスのプレースタイル分析

トゥーン・コープマイネルス

AZのユース一筋で育ってきたコープマイネルスは、そのまま2017年にプロデビュー。2021年に退団するまで、ユースから通算で12年間をAZで過ごしている。

19-20シーズンには21歳にしてキャプテンに就任し、20-21シーズンにはMFながら15ゴールを記録してエールディビジ最優秀選手賞を受賞。オランダリーグを代表する選手として名を上げた。

多くのビッグクラブが新天地候補として上がる中、コープマイネルスが加入したのはセリエAのアタランタだった。

今季で在籍3シーズン目を向かえており、ここまで105試合27ゴール10アシストを記録している。

初年度こそ4ゴールだったが、22-23には10ゴール、今季ここまでで11ゴールと、オランダ時代から継続して点がとれるMFである。

 

オランダ時代にはCBもこなす守備的MFとしてプレーしていたコープマイネルスだが、アタランタにやってきてからは一転してトップ下をメインポジションとする攻撃的MFとなっている。

彼の強みは、大きく2つのベースに支えられている。

ひとつは高精度の左足キックだ。特にロングレンジのキックに優れている。

もうひとつはスペースを突く意識だ。足元にボールを要求して足を止めてしまう攻撃的MFはよくいるものだ。特に、キックに自信を持つタイプならなおさらである。だが、コープマイネルスはその類ではない。スペースを突き、ボールを引き出す意識も持ち合わせているのだ。

裏へのランニングでデローンのロングフィードを引き出すコープマイネルス。

 

コープマイネルスの得点力も、この2つのベースに支えられている。

彼の得点パターンは主に3つだ。

ひとつはミドルシュート。ペナルティエリア外からでもゴールの四隅を射抜く正確かつ強烈な左足を装備しており、エリア外からでも積極的に狙っている。

アタランタに加入してからの3シーズンでペナルティエリア外から8つのゴールを記録しており、現在のセリエAで最高のミドルシュートの名手と言って差し支えない。

 

2つめはゴール前に走り込んで味方のラストパスに合わせる形。ミドルシューターながらゴール前に走り込んでターゲットになれるのは稀有な存在だといえる。

意外にも空中戦を得意とするコープマイネルスは、相手との競り合いを制してヘディングでゴールを決めることもできる。

 

3つめはプレースキック。特にPKに関してはオランダ時代から名手として知られており、AZでの4シーズンでPKから20ゴールを決めている。

また、直接フリーキックもうまく、ジェノア戦では見事なゴールを決めた。

understat.comより、コープマイネルスのゴールに関してシュートを打った位置をピッチ上にプロットし、期待値の大きさを円の大きさで表現したもの。全体に期待値が小さいシュートがほとんどを占めているのが特徴的で、難しい局面からゴールをこじ開けてくれる頼れる選手であるといえる。

 

得点能力の高さが際立つコープマイネルスだが、チャンスメイクでの貢献度も高い。

数字だけを見れば、3シーズンで7アシストとトップ下としては少なく思える。しかし、期待値を見ると印象が変わる。

3シーズン通算のアシスト期待値は16.5で、実際のアシスト数を倍以上上回っている。プレーの内容を見れば、実際の数字上よりも非常に多くのチャンスを作り出しているということだ。

トップ下をベースポジションとしているコープマイネルスは、そこからサイドに流れて崩しに絡むプレーを得意とする。

SofaScoreより、今季のコープマイネルスのヒートマップ。トップ下がベースポジションのコープマイネルスながら、ヒートマップは両サイドに分布していてセンターレーンでのプレーは少ないことがわかる。彼はライン間でクオリティを発揮する従来的なトップ下ではない。中央で起用することで彼のダイナミズムを活用し、両サイドでクオリティを発揮してもらうのがガスペリーニの意図なのではないか。

 

サイドに流れてからのコープマイネルスは、クロスボールでチャンスを演出する。コーナーキックやサイドからのフリーキックを含め、得意の左足キックで相手のブロックの外からチャンスを作り出していく。

さらに、コープマイネルスは意外にもドリブル突破を得意としている。

ドリブル突破試行数はデ・ケテラーレ、ルックマンというウイングタイプの2人に次いで多く、タッチライン際から単騎で局面を打開するプレーも見せてくれるのだ。

タッチライン際で縦に突破すると見せかけて、いったんストップ。
チャンスだと見た相手DFが、足を出してくる。
これをダブルタッチでかわし、突破した。

 

キック、ドリブル、オフ・ザ・ボールと攻撃面に関しては何でもできるコープマイネルス。

ウィークポイントを上げるとすれば、非保持時の強度に若干の不安があるところくらいか。

守備的MFとしてプレーしていたオランダ時代にも、デュエルよりはインターセプトなどの読みを活かしたプレーで貢献していたようで、コンタクトプレーで競り負ける場面も散見される

マンツーマンディフェンスを基本とするガスペリーニは、このウィークポイントも考慮してコープマイネルスをより攻撃的なポジションに置いたのかもしれない。

 

すでにシーズン終了後の退団意向をクラブに伝達済みとされているコープマイネルス。ステップアップを希望しているようだ。

イタリア国内の強豪クラブの他、プレミアリーグのクラブからも注目されており、シーズン終了後の身の振り方にも注目したいところだ。

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