【期待の対人マスター】エミル・ホルムのプレースタイル分析

エミル・ホルム

地元の小さなクラブでサッカーを始めたホルムは、12歳のころヨーテボリの下部組織に加入してそのままトップデビューを果たしている。

2年後、ホルムはデンマークリーグのスナユスケに加入、ここでも2シーズンを過ごしている。

ちなみに、デンマーク時代にホルムが放ったフリーキックが枠を外すどころか場外へ消えてしまい、ネット上で話題となった。日本でもサッカー版場外ホームランとして記事になっている。

https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=95070

2022年夏にスペツィアのスカッドに加わるとすぐさま定位置を確保し注目されたホルムは、翌年にはアタランタへステップアップしている。

 

ホルムのベースとなっているのは、恵まれたフィジカルだ。

191cm・83kgとサイドバックとしては極めて大柄なホルムは、屈強なフィジカルを活かし地空ともにデュエルで相手を圧倒する。

さらに、走力にも優れている。ショートスプリント、ロングスプリントともにハイレベルで、試合終盤まで運動量が落ちない持久力も素晴らしい。ホルムは優れたアスリートなのだ。

 

このフィジカルを活かした対人守備がホルム最大の武器だ。

特に地上戦の1対1は鉄壁。相手のエースを封じ込める仕事に関しては達人の域にある。

 

↓ ラファエウ・レオンを完封しアシストも記録したミラン戦のタッチ集。

ホルムは1対1において、思いっきり内を切ってカットインの選択肢を消すことで、相手のウインガーに縦のスプリント勝負を強いる。そして、持ち前のショートスプリントで振り切られることなくついて行き、体を入れてボールを奪い去るのだ。

自分の得意なパターンに持っていかせる駆け引きに長けており、そのパターンにハマればほぼ負けなしだ。

現時点でもセリエA屈指の対人守備力を誇るサイドバックだと評価していいだろう。

 

攻撃面では、持ち前の走力を活かした上下動で貢献する。

特に、ボールを持った時の推進力あるドリブルは破壊的。スピードとフィジカルが融合したゴリブルで数十メートル運ぶさまは、テオ・エルナンデスにも重なる。

 

↓ 得意のゴリブルでPKを奪取したシーン。

 

アウトサイドでの上下動には優れる一方、ボールタッチやパス精度、戦術眼は凡庸なため、インサイドでのプレーや後方からの組み立てへの参加は得意としていない。

スペツィア時代にはビルドアップの際タッチライン際まで目いっぱい張り、ビルドアップが詰まった時の逃げどころとなっていた。ホルムは空中戦を得意とするため、ロングフィードのターゲットとなるタスクに優れているのだ。

FBref.comより、今季のホルムのヒートマップ。ペナルティエリアよりも外側、アウトサイドレーンにのみヒートマップが分布しているのがよくわかる。

個人的には、これをゴール前で発揮できればゴセンスのようなターゲット型SBになれるのではないかと考えている。逆サイドのルッジェーリはクロスボールの精度が高いため、ホットラインを構築できそうだ。

また、せっかくの走力があるにもかかわらず、1列前のウイングがボールを持った時のサポートランのタイミングが悪いのももったいないところだ。

 

高い守備能力と献身的な上下動が武器のホルムは、完成度の高い古典的サイドバックとまとめられる。「ストレートランナー」に分類できるだろう。カウンター型、もしくはダイナミックな戦術を採用するチームでは存在感を発揮するのではないか。

ただ、ポテンシャル的にはもっとゴール前での仕事に期待したいところ。筆者個人的には、テオの推進力とゴセンスのゴールセンスを併せ持ったサイドバックとして大成してほしいと考えている。

今後の成長に期待したい。

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