【アタランタの新守護神】マルコ・カルネセッキのプレースタイル分析

マルコ・カルネセッキ

チェゼーナの下部組織でプレーしていたカルネセッキは、2017年にアタランタに移籍。2シーズンユースでプレーし、18-19カンピオナート・プリマヴェーラで優勝を果たしている。

翌19-20にはセリエBのトラパーニにレンタルされてプロデビューを果たすと、2021年冬から2年半はクレモネーゼでプレー。21-22にはクラブのセリエA昇格に貢献し、翌シーズンにセリエAデビューを果たしている。

そして今シーズン、満を持してアタランタのスカッドに加わったカルネセッキは、今ではムッソから完全にポジションを奪取している。

シーズンを通してハイパフォーマンスを継続しており、3月には初のイタリアA代表選出を受け、クラブMVPに選出された。一気にイタリア期待の若手GKとして名を揚げた格好だ。

 

今季のカルネセッキは、データで見ても好パフォーマンスを見せている。

特に目を引くのはセーブ率で、77.9%という高い数字を記録している。セリエAの全体平均が他のリーグに比べると非常に高いのでリーグ内では6位にとどまっているが、たとえばプレミアリーグに入れば堂々の1位にランクインする数字だ。

彼のベースにあるのは、的確なポジショニングだ。カルネセッキはボールの動きに合わせて細かくステップを踏み、ポジショニングを修正する。

さらに、シュートを打たれるタイミングに行うプレジャンプのタイミングでしっかりとストップすることができている。それによって、どの方向にボールが飛んできても反応ができる。

シュートを打たれる前の準備があってこそ、高いセーブ率につながっているのだ。

上の動画のようなビッグセーブは彼の代名詞ではない。ポジショニングがいいので、あまり無理をしない範囲でセーブが可能だからである。

カルネセッキのセーブは悠々としている。観客を沸かせるようなダイナミックなプレースタイルではないが、年齢に似合わずチームに安心感を与えるGKだ。

 

また、カルネセッキはクロスボール処理スイーパータスクと言ったゴールマウスを離れた位置での守備アクションにも優れている。

こうしたGKは得てしてアグレッシブな反面、それが裏目に出てチームをあわてさせる場面もあるものだが、カルネセッキにはそれが当てはまらない。

それは、飛び出すか飛び出さないかの判断が的確だからだろう。自分が先に触れないならば、飛び出さずにゴールを守る判断がきちっとできる。自分のプレーエリアをしっかりと把握していて、かつ瞬間的な判断力に優れているからこそなせる業だ。

だから、カルネセッキはアグレッシブでありながらも安定感があるのだ。

 

さらに、カルネセッキはPKセーバーとしての地位も確立した印象だ。

今季6回の被PKを受けているカルネセッキだが、実際に失点したのは3度のみ。非常に高いPKセーブ率を誇っている。

サッスオーロ戦には、1度とめたPKがやり直しになってしまったものの、そのPKも再度セーブして話題となった。

 

ビルドアップ面も見てみよう。カルネセッキは右利きだが、左足からのキックに対しても積極的にトライしている。これは、GKとしては大きなアドバンテージになり得る。

そして、キックの種類が多いのもカルネセッキの持ち味だ。

常のショートパスはもちろん、味方とボールがスペースで出会うような柔らかいボールから、ライナー性のフィードまでを使い分ける。カルネセッキほど多くのキックを使い分ける選手はなかなかいない。

 

ただし、現在のカルネセッキはビルドアップ能力が高いとは言えない。それは、キックの精度が追い付いてきていないからだ。

様々なキックにトライするカルネセッキだが、パスミスに終わる場面も少なくない。特に相手からのプレスにさらされた場面では目に見えてパス精度が落ち、自らのミスによって決定的なピンチを迎える場面も散見される。

 

↓ カルネセッキのパスミスからPKにつながった場面。

 

ゴールを守る能力はリーグ内でもかなり高い一方、ビルドアップへの貢献に関してはまだ発展途上であるカルネセッキは、マスターGKに限りなく近い「ビッグセーバー」に分類したい。

前述のとおり、キックの種類は豊富であるだけに戦術眼や精度を磨いていけば、ビルドアップでも大きな貢献を果たせるはず。そうなれば、非常に完成度の高い「マスターGK」となれるはずだ。

 

ユベントスがシュチェスニーの後継者として獲得を狙っているとされるカルネセッキ。本人も移籍を視野に入れて代理人を変更したと報道されている。

シーズン終了後の動きにも注目だ。

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