アレクシス・サーレマーケルス【プレースタイル詳解】

母国ベルギーの名門アンデルレヒトで育ったアレクシス・サーレマーケルス。2020冬にミランに加入してからイタリアでキャリアを積み重ねている。

サーレマーケルスSBからWGまで、左右どちらもこなせるサイドのスペシャリストだ。どこに置かれても求められるタスクを高いレベルでこなしてくれる、有用なユーティリティープレーヤーである。

FBref.comによるパーセンタイルを見ると、SBとしては攻撃のスタッツが振り切れていて、WGとしては非保持のスタッツが振り切れている。両者のちょうど中間に位置するようなプレースタイルの持ち主である。

それが可能な背景には、90分間献身的なアップダウンを繰り返せる持久力というフィジカル的な側面と、両利きであるという技術的な側面との両面からの裏支えがある。

非保持時、チームがプレッシングに出ていったときには積極的に前に出て追随し、あるいは先陣を切って相手に圧力をかけに行く。

それでいながら献身的にプレスバックし、相手のアタッカーに対して積極的にタックルを仕掛けて自由を与えない。

エリア別のタックル数のランキングで、サーレマーケルスはディフェンシブサードにおいてローマのスカッドの中でトップのタックル数を記録している。彼が自陣まで戻り、守備に参加していることの強力な裏付けである。

上述のランキング。DFたちが上位を占める中、トップに立つサーレマーケルスが異色の存在だ。

 

こうしたワーキングウインガー的な側面を持っていながら、サーレマーケルスはただの献身的なワイドプレーヤーにあらず。ウインガーとして攻撃的なタスクを任せてもハイレベルにこなすのが彼のスペシャルなポイントだ。

テクニックレベルが高く、テクニカルなドリブルを持っているサーレマーケルス。体の向きでフェイクをかけつつ瞬間的な加速で相手を置き去りにする形を基本に技巧的な細かいボールタッチを交えることで、狭いエリアを打開するプレーを得意としている。

 

かつてはドリブルとクロスボールによるチャンスメイクが最も得意とするプレーだったサーレマーケルスだけど、ボローニャに移籍して以降得点力を高めている。

今季はすでにキャリアハイの6ゴールで、チーム2位タイの得点源となっている。

サーレマーケルスの主な得点パターンはカットインフィニッシュ。サイドから切り込み、ファーサイドに決める。

これを両サイドからできるのが彼の特別なポイント。基本的には右利きながら、右サイドからカットインし左足でフィニッシュできる。その精度がどんどん高まり得点力が上がってきた印象である。

こうした形がメインゆえ、彼の得点は期待値が小さいシュートから生まれることが多い。FBref.comによれば、「実得点数-ゴール期待値」の数値が4.1でセリエA3位とのことだ(数値が大きければ大きいほど期待値を上回る得点数を決めている)。

 

ミラン加入当初は献身的なワーキングウインガーという印象だったサーレマーケルスだが、保持時のクオリティを大きく向上させ得点関与率が高まったことで、攻守両面に大きな影響を及ぼすサイドのスペシャリストとして大成しつつある。

今回はWG分類マトリックス上の「カットインシューター」に分類したけれど、細かいドリブルを武器にする「クイックネスドリブラー」にも近く、汎用性の高いプレーヤーであるといえる。

「チームに1台サーレマーケルス」と言われる日も近いかもしれない。

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