ルーム・チャウナ【プレースタイル詳解】

アフリカの中でも最貧国のひとつ、チャドで生まれたルーム・チャウナ。フランスに移住し、名門レンヌのユースで育成を受けてフランスの年代別代表に選出されながら育ってきた。

そんな彼は左利きの右サイド。当然アウトサイドからカットインしながらのプレーを狙っていくことになる。

その中で特徴的なのは、彼のカットインがフィニッシュに至ることに特化されていることにある。

スタッツを見てみるとわかりやすいので、ウインガー陣(CF起用も多いノスリンは除外)の中でのチャウナの立ち位置を見てみよう。

 

〈FBref.comより、16節終了時点でのスタッツ〉

  • 90分あたりドリブル突破試行数
  1.  3.98 イサクセン
  2.  3.14 ザッカーニ
  3.  2.65 ペドロ
  4.  2.14 チャウナ

 

  • 90分あたりキャリー数
  1.  32.1 チャウナ
  2.  28.6 ザッカーニ
  3.  28.6 ペドロ
  4.  26.9 イサクセン

 

  • 90分あたりシュート数
  1.  5.08 チャウナ
  2.  2.15 イサクセン
  3.  1.83 ペドロ
  4.  1.65 ザッカーニ

 

まずドリブルに関して。チャウナはほかのウインガーと比較すると、突破するための仕掛けのドリブルが最も少ない。だけど、運ぶドリブル(キャリー)は一番多くて、ドリブルをしないプレーヤーではない。

引いた相手を打開するために仕掛けるようなプレーが少ないことが読み取れる。

そして、シュート数が最も多い。それも、2位イサクセンにダブルスコアをつけていることから、フィニッシュへの積極性は特筆すべきものだと言えそうだ。

つまり、チャウナは相手を突破するのではなく、空いたスペースへとボールを運びながらシュート機会をうかがうことを得意とする生粋のカットインフィニッシャーというわけだ。WG分類マトリックス上の「カットインシューター」に分類されるべきプレーヤーなのである。

 

左利きだけど、切り返してからの右足でも鋭いシュートを飛ばせるのはGOODポイント。特に左利きだと逆足精度が低い選手が多い中で、差別要素となりうる武器だ。

 

得点力に優れるチャウナだけど、ここまでリーグ戦は先発わずかに1試合。ライバルたちに後れを取っている。その要因は何なのか。

今季のラツィオは、WGに対してハーフスペースでのポストプレーを求めている。チャウナはフィジカルを活かして相手を背負うプレーに関してはすでにできていて、起点を設けることはできている。強さという意味ではWG陣の中でも一番かもしれない。

だけど、ボールを収めた後の球離れが悪くてチームの流れを淀めてしまう嫌いがある。もっとシンプルに味方を使っていればチャンスになったのに…という場面は結構あると思う。

受ける前の相手を剥がすための駆け引きやポジショニングの修正などもまだ足りておらず、現状はフィジカル任せのポストプレーと言った印象だ。

このタスクに関して大きな成長を見せて適応したイサクセンに定位置を奪われているのは象徴的だろう。チャウナにも成長が求められる。

 

ただ、センター寄りでプレーするようになったことでハーフスペースからのダイアゴナルランによる裏抜けという新たな武器を身に着けつつあるのは成長点。

今までは自ら持ち込んでのフィニッシュしか選択肢になかったけど、味方に使われてラストパスを引き出すことでのフィニッシュも選択肢に加わりつつあるようだ。

 

2024夏に加わったラツィオではまだ定位置確保には至っていないチャウナ。とはいえまだ21歳の若者で、大きな伸びしろを残しているととらえたい。

バローニのもとでの成長に期待したいところだ。

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