スイス人の母とセネガル人の父の間に生まれたダン・エンドイェは、高速ドリブルを武器とするアタッカーだ。
エンドイェはとにかく足が速い。縦にボールを蹴りだし競走するだけで相手を置き去りにして突破できてしまう。だから、彼のドリブルは直線的。レーンを敷き、相手とスピード勝負に持ち込む。
特にカウンター局面で大きく輝き、中盤低い位置からトップスピードに乗れば彼を止めるのは非常に困難。長い距離を持ち運び、局面を転換する飛び道具だ。
〈FBref.comより、32節終了時点でのスタッツ〉
- プログレッシブ(縦方向の前進)キャリー数:118(セリエAトップ)
- キャリーによるペナルティエリア侵入数:43(セリエA5位)
→とにかく縦に距離を稼ぐストレートなドリブルなので、プログレッシブ(縦方向の前進)キャリー数がセリエAトップなのも納得だ。
さらに、エンドイェはボディバランスにも優れ、コンタクトプレーを苦にしない優れたフィジカルも持ち合わせている。
その特性を活かし、相手を背負ってポストプレーをすることもできる。サイドに起点を設けられるその特性は、サイドからの前進を重視するイタリアーノにとって願ったりかなったりなものだろう。
相手を背負った状態でボールを受けるだけでなく、そこから横に逃げてドリブルを開始、相手を剥がして距離を稼ぎ、敵陣まで進攻する。単独で局面を転換する能力の高さはまさに戦術兵器である。
〈FBref.comより、32節終了時点でのスタッツ〉
- プログレッシブ(縦方向の前進)パスレシーブ数:200(セリエA7位)
- 被ファウル数:82(セリエAトップ)
→縦パスのターゲットとしてリーグ有数であることがデータでも裏付けられている。そうしたプレー特性や、一度スピードに乗ったら止められないドリブルも相まって、被ファウル数はリーグトップだ。
長距離ドリブル&ポストプレーで、運ぶ局面への貢献度が極めて大きいウインガーであるエンドイェ。昨季までは、崩す局面での貢献度が課題だった。
特に決定力がめっちゃ低く、「それ外すん⁉」というミスも多くみられていた。昨季はゴール期待値4.9に対して実得点は1だけ。さすがに外しすぎである。
ところが、今季は一転して決定力が覚醒。ここまでリーグ戦8ゴールでチーム2位タイの得点源となっているのだ。そんなに伸びることある⁉
Dan Ndoye. Upstoppable 🚀#JuveBologna pic.twitter.com/NdOK0hzrZX
— Lega Serie A (@SerieA_EN) December 8, 2024
エンドイェはドリブラーだけど、自分でドリブル突破からフィニッシュ!という場面は少ない。なくはないけど、そういう場面ではやっぱりシュートを打つまでにガス欠していて決まらない。
彼が得点するときは、たいてい逆サイドからのクロスボールに飛び込んで決めている。直線的にゴール前に飛び込み、点で合わせて完結する場面が多くみられている。
イタリアーノがサイド攻撃を重視するスタイルを取ったことで、サイドからのクロスボールという場面が増えたこともエンドイェにとって追い風になっているのだろう。
La perla di Dan Ndoye 💎#BolognaNapoli pic.twitter.com/YZmJlY9fC3
— Lega Serie A (@SerieA) April 8, 2025
Dan Ndoye sealed the comeback win for Bologna ✍️#BolognaMilan pic.twitter.com/1qpn2otrOm
— Lega Serie A (@SerieA_EN) February 28, 2025
というわけで、運ぶ局面から崩す局面まで、トータルでの貢献度が非常に高い完成されたウインガーへと成長したダン・エンドイェ。右サイドが本職ながら左サイドでも起用可能で、スイス代表ではウイングバックで起用されるなどサイドならどこでもやれる汎用性も魅力だ。
今回はWG分類マトリックス上の「スピードドリブラー」に分類したけど、「ゴリブラー」「ターゲットWG」としての性質も備えた、万能なプレーヤーである。
得点力が向上した今、エンドイェはどのクラブも欲しがるタレントだろう。メルカートでの動向にも注目したいところだ。