デンマークリーグ得点王の称号を引っ提げてラツィオにやってきたグスタフ・イサクセン。バローニ新体制下で右ウイングのファーストチョイスに定着している。
デンマーク時代のゴール集を見ていると、その多くはカウンター局面から決まっていることがわかる。これはラツィオに来てからも変わっていなくて、オープンスペースで仕掛けながらのフィニッシュというのがイサクセンの最も得意な得点パターンとみて間違いなさそうだ。
これがラツィオに来てから得点数が思うように伸びていない原因ともつながっているのではないか。
保持型のスタイルを好むサッリのもとスタートした昨季はもちろん、バローニ政権となった今季もラツィオはどちらかというとボールを握って戦うチームだ(16節終了時点で、平均保持率は上から8番目の54.1%)。
だから、イサクセン得意のカウンター局面からのフィニッシュはそこまで出現してこないのだ。
There was no stopping this one from Isaksen 💥#NapoliLazio pic.twitter.com/Yknte5d1hX
— Lega Serie A (@SerieA_EN) December 9, 2024
スペースがない状態では無理をしないというのはドリブルに関しても同じで、相手が引いて守りを固めている場面では無理な仕掛けはせず、味方を使いながら相手のブロックに隙を見出そうとする。
良い言い方をすれば無理なプレーをしないイサクセンだけど、悪い言い方をすれば無難で怖さがないとも言える。
ただ、彼のドリブルは狭い局面でも十分に通用するものに見える。ボールを常に足元に置きながら両足を器用に使いこなし、コースを変え、タイミングをずらしながら突破していく様子はメッシにさえ見える。
あくまでデンマーク時代はプレー集しか見ていないので印象でしかないが、得点王になったシーズンでは相手が引いていてもお構いなしにガンガン仕掛けているように感じる。
そうなると、問題はメンタル面なのかもしれない。ゴールという数字がついてくれば、姿勢も変わってくるかもしれない。選手育成に長けたバローニのもとでの覚醒に期待したい。
イタリアに来てから成長した部分もある。それがハーフスペースに移動してのくさびの引き出しだ。
特にバローニ政権下に入った今季に顕著で、絶妙なタイミングで内に入り込み、相手のライン間に起点を設けるプレーはラツィオの縦に速いビルドアップにおいて重要な役割を果たしている。
スタッツもこれを後押ししていて、FBref.comによるとイサクセンの「プログレッシブ(縦方向の前進)パスレシーブ総数」は118でセリエA4位。10節前後にはセリエAトップだった。
縦パスを受けてそのまま前向きにドリブルで運び、仕掛ける。新しいプレーパターンを習得しつつあるようだ。


持っているタレントはスーペルなもので、今はまだその半分も引き出せていないのではないか。バローニのもと殻を破って完全覚醒してもらいたいところだ。