ユベントスの下部組織出身で、昨季フロジノーネで大ブレイクを果たしたマティアス・スーレ。今季からローマに加入しプレーしている。
スーレは、昨季ドリブル突破成功数がセリエA最多だったドリブラーだ。
彼のドリブルの特徴は、細かいボディフェイクと加減速、キックフェイントやタイミングを外した持ち出しなどで相手の逆を突く巧みさ。対峙するDFの重心を読み取る眼はまさに天才的で、いとも簡単に相手が出している矢印を折って突破してしまう。
対戦相手からすれば止めに入ろうとすればするほどその逆を突かれるため、対応が非常に困難なドリブラーだ。
Soulé ➡ ShomuroGOAL 🎯#ASRoma #RomaMonza pic.twitter.com/RHmmZSYU4D
— AS Roma English (@ASRomaEN) February 25, 2025
Mati Soulé magic 🪄#CagliariFrosinone pic.twitter.com/ebIQH06E9H
— Lega Serie A (@SerieA_EN) November 1, 2023
スーレはただのドリブラーにあらず、高いキック精度を持っている。ドリブル突破した後のクロスボールからプレースキックまで、その左足をチャンスメイクにフル活用する。
特にこすり上げるようにして蹴るインフロントのキックは秀逸。パワーはないものの、カーブしてピンポイントで狙った点に合わせるキック精度の高さは特筆ものだ。
Superb from Soulé 😮💨#ParmaRoma pic.twitter.com/pykfi0rpkQ
— Lega Serie A (@SerieA_EN) February 17, 2025
ドリブルからキックまで高いテクニックを持っていて、左足でカットインしながら攻撃を操るスーレ。キャラクターとしてはディバラと被る部分がある。
だが、ディバラの域に達するためにはまだ成長しなければならない部分がある。それが得点能力だ。
昨季11ゴールを挙げたスーレだが、そのうち5つはPKによるもの。流れの中からの得点力に関しては、さらに増強の余地がある。
スーレは万能なタレントだけど、「マスターWG」とはせず、チャンスメーカー寄りの「クイックネスドリブラー」に分類するのは得点力がまだ十分に高いとは言えないからだ。

上の図を見ると、スーレのシュートは全体的に期待値が小さく、ペナルティエリア外から打たれたものが多いことがわかる。
ただ一方、実際に得点につながった緑色の円を追ってみると、ゴールに近い位置から放たれた期待値の大きなものがほとんどを占めていることがわかる。
ゴール前でフリーになってシュートを打つ場面が少ないにもかかわらず、実際に得点につながっているのはそうしたシチュエーションなのだ。
ここから読み取れることはふたつある。
ひとつは、ミドルシュートに関しては試行数に対して結果が伴ってきていないということ。
いくら精度が高いとはいえ、緩いボールではセリエAのハイレベルなGKたちには弾きだされてしまう。パワーがない以上、さらに精度を上げるか、ミドルシュートを匂わせながらほかの選択肢をとる回数を増やすかして工夫したいところだ。
もうひとつは、ゴール前に入っていく頻度を上げれば得点数がさらに伸びるだろうということ。現状得点につながっているシチュエーションを多く再現できれば、おのずと得点数が増えていくはずだ。
非常にテクニックレベルが高いスーレが足元にボールを引き出したがるのはよくわかるのだが、それを押し殺してボールの受け手としてふるまう能力も必要になるだろう。
ディバラは、スーレよりも使われるのがうまい。だから点が取れるのだ。
現状WG分類マトリックス上の「クイックネスドリブラー」としているスーレだが、ポテンシャル的には「マスターWG」にまで成長するべきタレントである。
そのために得点力を向上させ、チームを勝たせるプレーヤーになってもらいたいところだ。