ミランでバロンドールを獲得した「リベリアの怪人」ことジョージ・ウェアの息子として知られるティモシー・ウェア。
彼も元々は父親同様ストライカーとしてプレーしていたのだが、徐々に両ウイングでも起用されるようになり、リール時代にサイドバックも経験してサイドならどこでもやれるユーティリティープレーヤーに変貌している。

どんなポジションでもこなせるベースには、父親譲りのアスリート能力と確かなテクニックがある。
特に優れているのは走力で、ただ足が速いだけでなく、スプリントを繰り返しピッチの縦幅をカバーする持久力も兼ね備えている。その走力を活かし、攻守にチームに貢献するのが特徴だ。
今季のウェアは、公式戦通算6ゴールと多くの得点を記録していて、キャリアハイを更新している。
彼の得点の多くは、逆サイドから上がってくるクロスボールに合わせて決めるワンタッチフィニッシュだ。
ゴール前に繰り返し入っていく持久力と、フリーなスペースをかぎ分ける嗅覚が際立つ。
筆者個人で紀には、モッタユーベがうまくいかなかったのはパスの出し手だらけでパスの受け手がいなかったことだと思っているのだけど、そんな中でウェアは数少ないパスの受け手だった。彼が重要な得点源になっているのも納得だ。

Tim Weah on the volley 💥#JuveParma pic.twitter.com/FyuHxt4B0l
— Lega Serie A (@SerieA_EN) October 31, 2024
ウェアは細かい局面を打開できるようなドリブルは持っておらず、したがってそもそもドリブル突破を仕掛ける回数が少ない。自らカットインしフィニッシュを狙うこともそこまで多くはない。
あくまでもフィニッシャーとしてはオフ・ザ・ボーラーであり、引いた相手を切り崩すようなタレントではないということだ。
〈FBref.comより、32節終了時点での「90分あたりドリブル突破試行数」を比較〉
逆に言うと、スピードがあるので縦に持ち出してからのクロスボールは得意のパターン。キック精度が高いため、かなり精度の高いボールが上がるイメージだ。
特に浮き球のカーブをかけたクロスは絶妙で、ぴたりとFWの頭に合わせてチャンスを演出している。
ストレートにスピードを活かしたドリブルとクロスボールの精度の高さ。こうした特性から現代では少なくなった順足ウインガーとして起用されてきたこと、それを応用してSBとしての適性を見出されたことも納得である。
アウトサイドレーンを持ち場とするクラシカルな順足ウインガーながら、ゴール前に入っていく嗅覚を武器に高い得点力を持つウェア。WG分類マトリックス上の「ターゲットWG」に分類できるだろう。
チームの主役になるタレントではないけど、様々なポジションで確かなパフォーマンスを見せてくれるユーティリティーな選手として今後も重用されていくのではないだろうか。