ティジャニ・ラインデルス【プレースタイル詳解】

来歴・エピソード

  • オランダ代表MFになったラインデルス、写真を見ると最近街中でよく見かけるような顔つきをしている。彼の母はインドネシア人であり、ティジャニはインドネシアにあるモルッカ諸島で生まれたのだ。
  • その出自ゆえ、インドネシア代表でプレーする可能性もあったラインデルスだが、インドネシアサッカー協会からの誘いを断ってオランダ代表としてプレーしている。
  • 父は元サッカー選手のブランダ・ラインデルス。子どもたちにサッカーを教えるスクールを運営しており、ティジャニもまたそこで鍛えられてキャリア初期を過ごしたという。今でもアドバイスをくれるようだ。
  • 父もプレーしたPECズウォレでトップチームデビューを果たした後、移籍したAZでブレイクし2023夏にミランに加入した。
  • ちなみに、PECズウォレには弟エリアーノ・ラインデルスが所属しプレーしている。
  • ミラン加入時にはバルセロナからの誘いを断ってミランに加入したラインデルス。先日の契約更新時には、レアル・マドリーやマンチェスター・シティからの関心に断りを入れており、ミランへの忠誠心が非常に強い。
  • 今季はセリエAで2桁得点を記録したラインデルス。ミランのクラブ史において1シーズンに2桁得点を記録したオランダ人選手は、あのマルコ・ファン・バステン以来だという。偉業である。
  • ゴールパフォーマンスは両腕を広げてドヤ顔。インテルのディマルコのパクリかと思いきや、本人曰く「昔から家でふざけていっていた『これが人生』という言葉を象徴するポーズ」らしい。

 

 

プレースタイル

ラインデルスは、加入2シーズン目でミランの中盤の要に成長している。

様々なサイトや選手名鑑でラインデルスと結び付けられるワードが「ボックス・トゥ・ボックス」。確かにこれは間違いではないのだが、ただのボックス・トゥ・ボックスだけで終わらせられるような選手ではない。

豊富な運動量とテクニック、戦術的インテリジェンスを高度に兼ね備えたパーフェクトMFというのがラインデルスを表す正しいワードだろう。

ピッチ内を所狭しと走り回る運動量は目を見張るのだけど、そこにラインデルスほどのレベルでオン・ザ・ボールのクオリティを上乗せしている選手はそう多くはない。

特に際立つのはドリブル能力の高さ。相手を背負ってボールを受けたときのターンのうまさに始まり、2人に囲まれたときに間を割って打開するスキルの高さ、高速ドリブルでも乱れないボールタッチの正確さを併せ持ち、セントラルMFとしては屈指のドリブラーである。

長い距離を持ち運ぶドリブルも、狭い局面を打開する突破するボールキープも、ともにハイクオリティだ。

 

〈FBref.comより、31節終了時点でのスタッツ〉

  • プログレッシブ(縦方向の前進)キャリー数:101(セリエA5位)
  • プログレッシブ(縦方向の前進)キャリー総距離:3229.7m(セリエA10位

 

さらに、ボールを運んだあとの配球も質が高く、ラストパサーとしても優れているのがラインデルス。自ら打開しドリブルで運び、ラストパスまで完結できる。

単騎での打開力をこれほどまでに高いレベルで持っているMFはなかなかいない。

 

〈FBref.comより、31節終了時点でのスタッツ〉

  • プログレッシブ(縦方向の前進)パス数:185(セリエA7位
  • ペナルティエリア内に通したパス数:44(セリエA6位

 

そしてラインデルスは持ち前の運動量を活かしてフィニッシュにも積極的に絡むプレーヤーである。

実は昨季は決定機を逃すシーンが何度も見られ、全体的に素晴らしいけど決定力だけは課題だね…という印象だった。

それが、今季はセリエA9ゴール、チャンピオンズリーグ3ゴールと公式戦通算で2桁ゴールを達成。フィニッシャーとして覚醒している。

攻守万能なのに得点力まで身につけてしまったら鬼に金棒。究極のパーフェクトMFの誕生である。

豊富な運動量を活かして積極的にゴール前に顔を出すラインデルスは、味方のクロスボールに飛び込むターゲットとしても有用なだけでなく、FWを追い越して裏へ飛び出すラインブレーカーにも変貌する。

オフ・ザ・ボールでスペースをアタックする感覚はフットボールIQの高さを感じさせる。

 

さらに特筆すべきは、ラインデルスミドルシューターでもあるという点。パワーのある強烈かつ正確なシュートを放ち、ゴールから離れた位置からでも得点を狙えるのは脅威だ。

 

これだけ攻撃時の貢献度が高いラインデルスながら、守備時にも献身的に中盤を奔走。広いエリアをカバーしながらボールをハントする。

特に機動力の高さを活かしたインターセプトはオランダ時代からの得意技で、今季記録している29という数字(FBref.comより、31節終了時点)は2位の18に大きな差をつけてぶっちぎりのチームトップとなっている。

 

攻守にMFに求められるスキルを全て兼ね備えたパーフェクトなMFとして大成したラインデルス。その存在感は絶大だ。

MF分類マトリックス上の「マスターMF」の中でも特にバランスの取れた選手である。

つい先日に契約延長を果たしたラインデルスは、これに際してレアル・マドリーやマンチェスター・シティなどの誘いを断ったようだ。

今後数シーズンはミランの中盤にラインデルスありといった状況になりそうだ。

 

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