イドリサ・トゥーレ【セリエA選手詳解】

イドリサ・トゥーレとは何者か

来歴

  • 現在ドイツ4部に所属するテベ・ベルリンのユースからRBライプツィヒに引き抜かれたトゥーレ。当時2部に所属していたトップチームでプロデビューを果たしたものの、その1試合のみの出場で退団した。
  • その後はシャルケ、ブレーメン、ユベントスのセカンドチームを転々とし、20-21に加入したフィテッセでエールディビジ20試合に出場。初めてトップディビジョンで過ごす1年となった。
  • 翌年にはセリエBピサに加入。以降ピサでプレーし続け今季が5シーズン目。昨季はセリエB33試合で6ゴール5アシストと活躍し、昇格の立役者の一人となった。コゼンツァ戦で決めたゴールはファン投票のクラブ年間ベストゴールに選出されている。

 

エピソード

  • ドイツのベルリンで5人兄弟の末っ子として生まれたトゥーレ。両親はギニア人である。相性は「イディ」。
  • 本来はセントラルMFだが、現チームでの主戦場は右ウイングバック。本人は「右ウイングバックは本当に好きで私の特性にあっている。でも、MFで出場しても問題ない。ポジションは重要ではなく、私はどこで使われても常に全力をささげる」と語る。
  • ロールモデルを聞かれると、モドリッチと答えたトゥーレ。さすがに似ても似つかなすぎるが…。
  • 長い下積みを経て初のセリエA挑戦となるトゥーレ。「いつかナポリ、ユーベ、ミランといった大きなクラブと大きなスタジアムで対戦できると思い、試合を見てきた。昇格し、セリエAで戦えてとても幸せ」と語る。

 

 

イドリサ・トゥーレのプレースタイル分析

ピサの中でもひときわ目立つトゥーレに興味を持った私は、彼のインタビューを読んでみた。

その中に、「あこがれの選手は?」という定番の質問があった。

トゥーレは答える。「モドリッチがロールモデル。早く対戦したいよ。」

私は思わず笑ってしまった。ウソやん!ほんまかいな!

 

彼がなぜピサの中で目立っていたかというと、モドリッチばりの華麗なゲームメイクをしていたからではない。アウトサイドパスがとびきりうまいからでもない。

彼は圧倒的な身体能力でサイドを制圧する、フィジカルお化けである。その屈強があまりにも飛び抜けているので、際立って目立っていたのだ。モドリッチとは似ても似つかない。

 

これは、決して悪いことではない。というかむしろ、ピサの中ではかなりのストロングポイントになっている。

188㎝の長身な上、優れた跳躍力を持っているトゥーレ。おまけに筋肉の塊のような肉体をしていて、体の軸が全くぶれない。だから、トゥーレ空中戦に鬼のように強い

 

〈FBref.comより、第3節終了時点でのスタッツ〉

  • 空中戦勝率:75.0%
  • 空中戦勝利総数:15(セリエA3位

 

サイドの選手なんて特に空中戦に強い選手が少ないので、トゥーレは圧倒的な質的優位を生み出している。ビルドアップがそこまで上手ではないピサにあって、トゥーレの頭は避難場所を通り越してメインの進軍ルートのひとつになっている。

相手がプレスに出てきたら、トゥーレの頭に当ててひっくり返す。シンプルだが、止められない。アタランタ戦ではザレフスキがかわいそうになるくらいボコボコにされていた。

 

空中戦の強さは得点力の源泉にもなっている。

昨季6ゴール5アシストと得点に多く絡んだトゥーレ。セットプレーのターゲットとしてはもちろん、流れの中からでもゴール前に入っていって逆サイドからのクロスに合わせに行ける。

それを90分間繰り返せるスタミナも目を見張る。

 

走力とフィジカルを兼ね備えるトゥーレはドリブルによる長距離キャリーも持ち味。テクニカルではないが、ゴリゴリと運んで距離を稼ぐ。

多少タッチが乱れても、リーチの長さを活かしてカバーできるのが彼のずるいところ。ミスがむしろ相手に足を出させるよう誘っているかのようになってしまっている。

 

〈FBref.comより、3節終了時点のスタッツ〉

  • プログレッシブキャリー(縦方向に10ヤード以上前進したキャリー):6(チーム内2位
  • キャリー総距離:264.3m(チーム内トップ

 

さらに、ただボールを運ぶだけでなく、そこからのクロスボールによるチャンスメイクまで完結させられるのが彼の強み。

意外にも浮き球によるクロスとグラウンダーの折り返しを器用に使い分けられ(失礼)、チャンスメーカーとしてもチーム内で重要な立ち位置を占めている。

 

〈FBref.comより、3節終了時点でのスタッツ〉

  • SCA(Shot Creating Action):9(チーム内トップ
  • ペナルティエリア外からのクロス成功数:3(セリエA3位

 

↓ ピサの今季初ゴールもトゥーレのクロスボールが起点になって生まれている

 

というわけで、トゥーレSB分類マトリックス上にプロットすると、クロッサーSB寄りのフィニッシャーSBといったところになるだろう。

 

ゴリゴリのフィジカルプレーヤーであり、モドリッチをロールモデルにしているようには見えないトゥーレ。それでも、突き抜けたフィジカルでピサにとって欠かせない選手となっている。

その制圧力はセリエAでも屈指であり、苦しい戦いが続くクラブにとって希望となっている。

ピサの残留はトゥーレの手にかかっている。

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